金融庁が金融機関のコロナ対応での自前融資(プロパー)の実態を見る、との日経新聞の記事に対する恨み節がレイジーバンクたちから聞こえてきます、オイオイ。
確かにプロパー融資や信用保証協会の保証付でも責任共有となると尻込みする地域金融機関は少なくありません。むしろマジョリティかもしれない。
コロナ禍に直面したことで、尻込みするところと、リスク覚悟で顧客ニーズであるスピード対応するところとの二極化が鮮明になっています。
尻込み金融機関に問いたい。
確かにリスクに伴う損失の可能性は回避できるものの、ゼロゼロ融資のような融資商品だけに集中することで毀損するものがあることを忘れていませんか?
それは現場のスキルです。
ポスト検査マニュアル時代においては、有形資産である貸付債権や運用有価証券以上に、そのポートフォリオ運営を担う無形資産のヒューマンアセットの重要性が高まります。
金融機関の健全性を監視する新しい早期警戒制度の着眼点は、過去から現在への数値から、将来の健全性を導くビジネスモデルとなります。そして金融庁のペーパーにはそれを牽引する上での「人的資源の確保・育成・活用」が記載されています。
プロパー融資、責任共有に伴う損失と、現場のスキル低下がもたらす損失(たとえば、顧客の廃業の嵐に歯止めをかけることができない→収益基盤の崩壊)とを秤にかければ、答えは明らかです。
尻込み金融機関のご意見をうかがいたいものです。
コメント
聞くところによると正常上位先で資金に困っていない企業にゼロゼロ融資している銀行もあるようで、嘗ての金融安定化同様モラルハザードや審査能力の低下が懸念されます。まあ、そんな銀行は淘汰されて当然なのですが…
また未だに高い収益目標を掲げ公的資金の返済に躍起になっている銀行もあるようですが、このレベルになると最早本末転倒(笑)滑稽でしかありません。
自浄作用がない組織に対しては「他浄作用」に期待するしかないのではないでしょうか。
恨み節って。。。この日本でリスクフリーな会社があるんでしょうか?誰から利潤を受けているのか分かっているのでしょうか。窮まってますね。そもそもゼロゼロの返済伴走する気があるんでしょうか?
5/25の全国信用組合新聞の1面「疲弊する取引先を救え 渉外訪問活動再開へ」でした。
信用組合新聞です。なぜ「組合員」でなく「取引先」なのか?
多分業界自体随分前から「組合員」でなく「取引先」という言葉になんの違和感も感じなくなっているのです。私自身が昨日、あれと疑問感じたのですから。信用組合の母体は組合員です。単なる取引先ではなく、もっともっと身近な存在で多くの信用組合が掲げる相互扶助の関係者です。いつの間にか信用組合も普通の銀行になっているのかもしれません。信用組合は関係性がいかに活発かがバロメーターでそれが組合員から評価につながります。規模や利益といった数値を目標とする組織ではありません。ただ数字は結果としてついてくるものだとおもいます。
尻込み金融機関に対しては、早速、金融庁・財務局から「特別検査」として立入検査をさせるべし。まだまだ、危機感のない経営陣が存在することで、今までは当該経営陣も要領よく金融当局から逃げることができたかもしれませんが、今後は金融当局が肝を据えて、立入検査時のヒアリングは経営陣のみで行って、ダメな経営陣は身を引いてもらうよう、引導を渡すべし。