昨日のブログで話題にしたBS1の番組を見た友人から、早速メッセージが届きました。地域金融、中小企業金融を熟知した方です。
ポイントを列挙します。
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この番組の視点は、「ゼロゼロ融資の申し込みから融資実行までに1か月かかるという点を強調して、顧客の支払予定日までに間に合わすべく信金マンが関係機関と何度も掛け合う。」という切り口。(多胡注→浅薄だなぁ)
ゼロゼロ融資は全額保証なので「いま顧客の商売がどんな状態で、なんのためのお金を、いつまでに用意しなければならないか」という融資のイロハが疎かになるが、この番組の描き方だと、信用金庫の行動が自らリスクをとることなく他力本願的(保証協会次第)にしか見えない。(多胡注→残念ながら大都市部ではこれがマジョリティです)
また「据置期間半年」から読み取れるのは金融機関が顧客とともに資金繰りを考えておらず、制度融資の単なる物売りにしか見えない。
コロナ禍では、通常であれば出せない金を知恵を絞って融資している地域金融機関は少なからずあるはずで、そこを番組であぶり出してほしかった。(多胡注→まったくおっしゃる通りです)
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この内容だったら再放送を見るに値しません。
公共放送には入念に取材して、中小企業や地域金融、中小企業金融に携わる人たちが唸るような番組を制作してもらいたいところです。