ヨーロッパでは銀行再編が進行しています。
スペインでは2つの銀行が合併し、国内の預貸で首位になり、イタリアやスイスでも合併の話が出ているようです。
マイナス金利にコロナの影響という意味では日本と同じだと思います。
海外の銀行事情に詳しい情報通によれば、これらの買収には「負ののれん代」狙いとの視点もあるようです。
もしそうだとすれば、これは買収先の純資産と時価総額の差額を利益として捻出することに過ぎず、いよいよ純資産を取り崩す“タケノコ生活”にまで追い込まれたのではと想像してしまいます。
日本では、赤字の危機に直面する銀行は保有有価証券の含み益で穴埋めしますが、含み益が払底すると住宅ローン等の証券化で利益の嵩上げを行います。そして、いわば奥の手が純資産の一部(時価総額との差額)、「負ののれん代」による益出し?です。これぞタケノコ生活のプロセス。
新聞報道によれば新政権では地銀再編が加速されそうな雰囲気です。
コロナ禍での金融機関のバランスシート毀損による救済色の強い合併統合には必然性があるものの、負ののれん代狙いの買収に安易に応じることは経営として決して褒められるものではありません。
リレバンの世界では、地域金融機関の純資産(資本)の大部分は地域のお客様との取引で得られた利益が積み上がったものであり、それは地域経済・地域社会のために有効活用すべきものだからです。
地域金融機関の資本は地域を守るため、地方創生のための最重要リソースです。