日経朝刊の記事「欧州でも銀行過剰懸念 日本、収益多様化で見劣り」は、直近まで欧州駐在だった記者ならではの着眼点で、非常に興味深く読みました。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20201203&ng=DGKKZO66900960S0A201C2EE9000
総資産の規模や収益性で日本の銀行はドイツに次いで厳しい状況にあるとの、欧州中央銀行(ECB)の分析が紹介されています。
「人口あたりの銀行数でみると、日本の地銀は欧米より少ない。8千万人ほどのドイツには地銀が約150行ある。3億人超の米国では商業銀行が4000行を超える。日本は約100行だが、オーバーバンキングの問題が指摘されてきた。」(同記事)
しかるにECBレポートのワーストランキングは、日本が2位で米国は24位(26か国中)。数の問題じゃないんですね。
画一的なトラバンモデルの問題とのコメントを取り上げてもらいましたが、対価を得るポケットがたくさんあるリレバンモデルでの高付加価値競争へのシフト、昨今の金融庁の規制緩和に対応した業務の転換など、工夫の余地は十分あると思います。
そこに向かってなかなか腰をあげない経営体質、これこそが日本のオーバーバンキングの問題です。