🚩リスクプレミアムは死語に

東京銀行(ロンドンなど)での同僚で、いまは山陰合同銀行において社外取締役の仕事をご一緒している倉都康行さんの会社「リサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社(「RPテック」)が本日、20周年を迎えました。

おめでとうございます。

http://www.rptech.co.jp

2001年といえば、邦銀が不良債権処理からまだ立ち直れず、「クレジット・プライシングという市場力学を銀行経営に浸透させることが再生への第一歩という理念」でのチャレンジを敬意を持って見ていましたが、それにしても20年とは早いものです。

その後、リーマンショックの予兆をいち早く発見し、警鐘を鳴らすなど、倉都さんの国際金融に関する質の高い情報発信に助けられた金融関係者は多いものと思います。

毎月第1土曜日の新聞の一面には、岩波書店の出版案内の広告が出ます。本日の新刊書のトップは、「危機の資本システム」〜世界同時好況と金融暴走リス...
東京銀行時代の同僚で、いまも山陰合同銀行で社外取締役を一緒に務めている倉都康行さん (RPテック代表取締役) は、リーマンショックを予言し...

異次元緩和以降、リスク・プレミアムは死語となり市場機能は失われてしまいました。

恒常的に預貸率が低い地域金融機関は有価証券運用に多くを依存せざるを得ず、そこでは僅かなリターン追及のために過度なリスクに晒される、という苦しい状況が続いています。

残念ながら苦境に陥る地域金融機関の殆どが、その始まりは有価証券運用での躓きであることは否定できません。

その一方で、地元事業者に対する融資の方はミドルリスク層への取り組み強化といいながら、ノーリスクのゼロゼロに融資に殺到、経営改善・事業変革・事業再生の支援はおろそかという図式はコロナ禍においても変わりません。

性懲りもない人たちは新年度を迎え、果たしてどうなることやら。

経営トップの新年度のメッセージにかすかな期待感を残す2021年4月1日です。

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