皐月から水無月へ。
決算発表、株主総会、総会(協同組織金融機関の場合)と慌ただしい時期です。
コロナ禍の長期化により地域存亡がかかっている未曾有の危機だと思うのですが、地域と一蓮托生の関係にあるはずの金融機関から発信される施策(新中期経営計画やトップ交代による新たな取り組み方針)などを見ても、過去からの延長線上のものがほとんどです。平時のままですね。
ウイズコロナ・ポストコロナにおける新様式からのバックキャスティング的なアプローチによる地域金融機関のメッセージにはほとんどお目にかかれません。
それは、「いまが資本の使いどころ」という発想がないからです。
平時にコツコツと資本を積み上げるのは、有事に備えてのことですが、いまは有事ではないのか?
お客様と日々向き合っている前線部隊と大本営の大きなギャップが見えます。大本営はノーリスクのゼロゼロ融資で目先の利益が出ているからか実感がないのでしょう。太平洋戦争末期のような様相を感じます。
コロナ禍で地域経済・地域社会はウイズコロナ・ポストコロナに則したニューノーマルへ大変革を余儀なくされます。事業を営むお客様は事業変革が、そして個人のお客様は新しい生活様式の構築が強く求められています。
変革は大きなリスクと表裏一体ですが、そこに立ち向かうお客様に対し、地域金融機関も「我がこと」として寄り添っていかねばなりません。
地域金融機関には長年にわたる地元のお客様とのお取引からの利益の蓄積である資本(内部留保)がありますが、これをバッファーとしてお客様の変革への挑戦をいかに本気で支援するか、地域金融機関の真価が問われます。
コロナ禍の今は資本の使いどころ、いま使わずしていつ使うのか。
★今日から始まったTOTO元社長・木瀬照雄さんの私の履歴書(日経新聞)の中にあった言葉、「現場に近い人ほど偉い」。レイジーバンクの大本営には全くない思想です。