内部監査高度化コンサルティングを業とする専門家の方と話をする機会があり、改めて2年前に金融庁が発表した「金融機関の内部監査の高度化に向けた現状と課題」を読み返しました。
https://www.fsa.go.jp/news/30/naibukannsa_report5.pdf
内部監査部門が事務不備や規程違反等の発見を通じた営業店への牽制機能を発揮する第1ステージから、内部環境や外部環境の状況を踏まえたリスクアセスメントを行い、 高リスク領域の業務プロセスにかかる整備状況や運用状況の検証、営業店のみならず本部に対する監査や部署をまたいだテーマ監査という第2ステージへの移行段階というのが、このペーパーが発表された当時の金融庁の認識です。
~地域金融機関を含むその他金融機関は、リスクベース監査への転換や経営監査の実施を標榜する一方、依然として伝統的な監査機能(不正・不祥事防止、準拠性監査) を重視する先も多い状況にあり、内部監査の水準は、第1段階~第2段階に位置づけられると考えられる。(同ペーパーより)
2年余りを経て、第3ステージに進んでいる地域金融機関もないわけではないものの、このペーパーに書かれている状況と大きく変わっていないように思います。
さて、
リスクベース監査は定着しているように見えますが、地域金融機関が抱える最大ともいえるリスクに着目した監査は脆弱だというのが、ワタシ認識です。
遠藤長官時代に金融庁は「経営理念と現場の行動の一気通貫」の重要性を地域金融機関に対し、発信していましたが、経営理念と現場の最前線の行動のギャップは地域金融機関にとって大きなリスクです。
しかるに、このリスクに着目した監査が十分に行われているとは思えません。
冒頭の話、専門家にはこのことを強調しました。