昨日に続き日経新聞四国版「地域金融の今」から。
このシリーズ、なかなか読み応えがあります。
19日(融資を超えて③)は、大手電機メーカーなどのOBを採用し、製造業で知的財産戦略の立案や生産現場の改善を支援する伊予銀行の話です。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC118BP0R10C21A8000000/
~地域企業の本業支援はそんな地銀にとって新たな収益源となる。支援した事業が軌道に乗れば新たな設備投資などで融資機会を得られ、ひいては地域経済の活性化につながる「一石三鳥」の事業になる可能性も秘める。(記事より)
本業支援で手数料収入という短絡的な切り口ではなく、事業が軌道に乗ることで新たな収益機会という捉え方は良いと思います。
ところで、
昔話になりますが、
2002年の冬に「リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループ(WG)」に出席するにあたり、ワタシは広島銀行本店を訪れています。
目的は、同行が地元の基幹産業クラスターを支援するために設立した「自動車関連対策室」についてヒアリングすることでした。
マツダのもと購買技術部長を招聘し、地元の基幹産業の実態まで踏み込み、自動車産業クラスターを支援していこうという広島銀行の取り組みは、WGで議論することになる地域金融の機能強化の先進事例だと思ったからです。
ワタシは広島銀行の自動車関連対策室の活動をリレバンWG(2002/12~2003/3)の中で発表しました。まさしくパイオニアです。リレバン機能強化の原点の一つがこの取り組みであることは間違いありません。
ちなみにこのヒアリングに応対してくださったのは、総合企画部の日下さん(現金融庁)でした。
その後、広島銀行・自動車関連対策室は、2004年4月20日放送のテレビ東京「ガイアの夜明け」に登場しています。
~広島銀行は自動車、造船・海運、繊維に関しての専門チームを作り、机上の決算書や書類だけを見るのではなく、実際に工場の現場に足を運び、経営の指導までしていこうと考えた。つまり、広島銀行は地元の企業を「育てる」ことを考えたのである。その専門チームのひとつ、「自動車関連対策室」。メンバーのひとり、木倉さんはマツダの元購買技術部長で、生産現場のプロとして広島銀行にスカウトされたきたのだ。木倉さんは取引先の自動車関連会社の工場などを回り、次々に生産性改善のためのアドバイスを行なっていく。地元の取引先が育つことが、地元の銀行にとっても必要なことなのである。(「ガイアの夜明け」のホームページより)