🚩外科人材の充実の前に

28日、時事通信が「中小企業の再生人材育成 47都道府県で研修」との記事を発信しました。

地域金融機関から「中小企業再生支援協議会」(再生支援協)に2、3人ずつ計100人程度を派遣してもらい、研修を行う制度を2022年度に創設するとのことです。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082701145&g=cov

~研修に必要な人件費は、政府と金融機関が半分程度ずつ負担する形を想定。中企庁は必要経費として約5億円を22年度予算概算要求に盛り込む方針だ。(記事より)

誤解を恐れずにいえば、再生支援協の再生手法は第二会社方式、DDS、再生ファンドなどによる外科手術であるというのが、多くの地域金融機関や信用保証協会の人たちの認識です。「デューデリだけで○百万円。」といった声も聞こえてきます。ムムム、、、

外科手術ができる医師を増やそうとの取り組みに水をかけるつもりはまったくないのですが、地域金融機関や信用保証協会は外科手術に行くまでにやるべきことが沢山あると思います。

内科治療やリハビリです。

昨日の旅芸人ブログ、板橋区の中嶋さんの話もこちらであり、地域金融機関や信用保証協会の現場が“日常的”に内科治療の相談やリハビリの対応を行うホームドクターが求められています。

ホームドクターの体制整備は待ったなしです。

昨日の旅芸人ブログ「伴走支援という言葉を軽々しく使うな」に対し、グサリとくるご意見を頂戴しました。 「事業支援とか、経営...

まずは、ゼロゼロ融資という薬を必要以上に投与して点数稼ぎをするホームドクターの風上にも置けない似非医者どもを撲滅することから始めましょう。

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コメント

  1. ゴンちゃん より:

    大分県の再生支援協は10年ほど前までは、ご指摘のように外科手術が主体であり、地元金融機関との連携もぎくしゃくしていました。しかし、最近は外科手術というよりも、内科治療に注力しており、外科手術はむしろ例外的です。地元金融機関との連携はしっかりととれており、また金融機関間の調整も円滑にやっていただくなど、大変頼りになる存在です。今回の研修に当行から参加予定の若手行員の成長を非常に楽しみにしております。
    多胡先生の記事を読ませていただき、再生支援協の有り様は47都道府県それぞれの地域で異なり、その中で大分の再生支援協は特別な存在なのかもしれません。であれば、大分の金融機関は大変恵まれており、有難いことだと思います。

  2. qzs04203 より:

    ゴンちゃんさま、

    大分県の再生支援協議会は稀有な存在だと思います。
    私の知っている某再生支援協は内科治療とリハビリの段階でありながら、メスを持ってしゃしゃり出てきます。手術の件数にノルマを持っているような形跡すらあります。
    外科手術の抜本再生となるとお客さまは大量出血、後遺症の覚悟をしなければならず、内科治療とリハビリで踏ん張っている銀行/信用保証協会の連合軍と、手術屋たる再生支援協との対立図式が先鋭化しています。

    旅芸人

  3. 伊藤由美子 より:

    再生支援協議会が外科手術が多いのは、支援機関間の棲み分けとして適切とは思います。よろずや金融機関や保証協会がホームドクターとしてPL改善をしつつ、中等症は認定支援機関。BSまで踏み込まないとどうにもならない複数金融機関利用者のみ再生支援協議会に持ち込む。これが本来と思います。神奈川の再生支援協議会は抜本再生が少ないため、以前より再生支援の後進地域と言われています。金融機関の数が多く金融調整に手間がかかるのと、地元地銀出向者が統括なので、銀行理論から抜け出せないのが要因ではないかと思います。かと言って、抜本再生の数だけで優劣を決めるのはどうかと思います。全国本部主導の再生事案で、横浜の有名老舗が香港外資に売却されました。最も高く買ってくれたのが外資だから金融機関的には配当率が高くて良かったということになるのでしょうか。地域社会にとって雇用が守れれば良いと言う事になるのか。ほ再生支援の成果の見方は難しい問題です。第三者が長期的視点で良い事例を悪い事例を評価し、金融機関間で情報共有し、横展開を図っていくことが重要になるにではないかと思いました。