地銀保有株を頭に置き、中小企業融資を従にした見出しへの“ピンボケ感”を封印し、まずは本日の日経一面の記事の内容をまずは称賛したいと思います。
「地銀の株保有厳しく、中小融資は促進 金融庁が新規制、24年3月末」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210920&ng=DGKKZO75908740Q1A920C2MM8000
~自己資本比率を計算する際に、保有株式の損失リスクを重く見積もる半面、中堅・中小企業向け融資のリスクを今より軽くする。相場変動に伴う損失リスクをおさえるとともに、企業の資金繰りを支援し実体経済を支える役割を発揮するよう促すのが狙い。(同記事より)
地域金融機関向けの新しい資本規制の話です。
基本路線に異論はないのですが、
「中堅・中小企業向け融資のリスクを今より軽くする。」以上は、借り手の事業実態を把握し、本業支援も含むモニタリングを行い、予防的な経営支援や事業再生支援などの対応を行うことが不可欠となります。
地域金融機関の現場力が落ちている現状、リスクウエイトを下げることと現場力の向上とはセットにして考えるべきではないでしょうか。
貸しっ放しで一丁上がりの場合には、リスクを下げるための手を打っていないわけで、リスクウエイトを下げるというのは違うと思います。
同様の視点は貸出債権の引き当てについても言えるのですが、7月に公表されたプログレスレポートを見ても、この思想はまだまだ緒についたところと考えられます。