地域金融機関の世界では経営統合や合併に向けての基本合意が締結されると会議体が設置されます。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC034TQ0T00C21A6000000/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD149RB0U1A211C2000000/
今までの例を見る限り、会議体では、人事をどうするか、システムや部門や店舗をどちらに寄せるか、といった議論が中心になります。
業界自体が安泰である時代にはそれで良いのですが、地域金融機関の存亡がかかっているときに、平時の再編プロセスで果たして間に合うのか。
「8年ほど前に銀行業参入を検討したが、数百億円にのぼる初期投資の大きさやシステムの維持費などを考慮して断念していた。今回は既存銀行のシステムを活用することで十分な顧客サービスを提供できると判断した。」(日経電子版2021/6/16、「ヤマダが銀行サービス 家電と住宅ローン一体で」より)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC048420U1A600C2000000/
少なくともマス個人向けの金融は、小売業やIT関連企業に取って代わられるぐらいの意識を持って再編後の銀行の姿を描く必要があるのではないでしょうか。
法人向けの物売り型金融、トランザクションバンキングも賞味期限切れです。
せっかく新しい銀行を作るのですから、将来の地域銀行のあるべき姿からのバックキャストじゃなきゃ、、、
将来というのは10年スパンではありません。3年でも遅いぐらいです。
答えはリレバンしかないのですが。
コメント
「経営理念の統一と、統一した理念で動く銀行」を、どのように作り上げていくのか、という議論が重要と思います。
銀行によって常識が違うと感じており、ここを統一できなければ、新銀行になってから入行した職員が経営に関与する(20年~30年たっても)ようになっても、統合効果はなかなか望めないと感じています。
「経営理念の統一から協議を開始した」という話は、あまり聞いたことがありません。
トラックレコードの罠にハマると、未来の新たな課題には対処できません。当事者世代が長期計画の策定を主導できず、辞めていく無責任世代が策定(大体トラックレコードで笑)する。本当のところどうなりたいのか、でしょう。何をトランザクションにして、何を人の手によるリレーションとするのか。求められるスキルも変わります。どういうスキルギャップがあるのか。
同感です。
「今までこれでやってこれたのだから、今まで通りでいい」という感覚を未だに感じるのですが、参入障壁がべらぼうに下がった状況で、「単なる金貸し」商売がやっていけるとはとても思えません。
片やフィンテックでべらぼうに安いコストで与信できるのに対し、人件費やランニングコストを抱えたまま高い分岐点で勝負出来るか等と、殆ど「竹槍でB29を落とそう」という振る舞いとしか思えません。
何よりもヤマダなどはその業界で海千山千を乗り越えてきたノウハウを持って、金融界に乗り込んでくる訳で、貸し込んで残高を作ることしか考えてこなかった銀行員と、どちらが頼りになるかは一目瞭然かと。
ちょっと危機感の無さに呆然とします。。。
多様な地域の情報や、業界横断的な顧客情報を生かして、不要な単純作業を減らし、それによる浮いた労働力を、より生産性の高い、顧客とのコミュニケーションやそれに基づく着想による顧客との「共創」に投入して、それに活路を求める以外、銀行の生き残る道はないと、覚悟を決めるべきです。