「メガバンクの地方都市の店舗の力が落ちている」
地域金融機関の現場からよく出てくる言葉です。
海外のグローバル金融機関と激闘を繰り広げるメガバンクが、効率性・収益性に乏しい地方都市に多くのリソースを投入しなくなるのは当然の選択です。
地方都市では、どうしてもピンポイントのビジネスとなることは避けることができず、地域活性化の基本ともいえる「面的展開」は不可能です。
この図式、メガバンクだけではなく、最近は地方銀行においても顕著になっているようです。
すなわち、効率重視の観点から、県庁所在地や人口・事業者数が集中する地区以外(→非集中地区)にはマンパワーをかけない戦略の地域銀行が増えています。
とくに経営陣にメガバンク思想が強くある場合には、非集中地区を中心に店舗の統廃合を加速させる傾向があります。
経営方針ですから、このことは批判に値しません(ワタシの考え方とは合致しませんが)。
結局のところ、
非集中地区における地域の面的活性化は、信用金庫や信用組合の踏ん張りにかかっています。(そのためにも、地域銀行にはゼロゼロ融資の一本釣りで利息を掠め取り後は知らぬ存ぜぬ、のような品の悪いことはやめていただきたい。信用保証協会もそういう取引にはノーを突きつけていただきたい。)
旅芸人ブログの持論でもありますが、信金信組の空白地の問題は由々しきことです。
本日の日経中国版「岡山・津山の牛肉文化を発信」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC13B640T10C22A1000000/
を読んで、改めてそのことを感じました。
津山は県北の主要都市だが、中心商店街の衰退など地方の疲弊と無縁ではない。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、15年から45年にかけて、岡山市の人口が5%減るのに対し、津山市は21%も減少するという。こうしたなか地域商社の曲辰は基幹産業の農業を「稼げる分野」にしようと20年に発足した。津山信金がもつ各地の金融機関とのネットワークを生かしつつ、地場産品の販路開拓や加工品の開発などに取り組んでいる。(記事より)
★さらに一言:
最近、ワタシの関与する商工中金と、全国各地で信金信組との連携が急増しています。商工中金が地域を面的に支える信金信組に対し、補完機能(→全国ネットワーク、フルバンキング、高度な金融手法など)を提供できるからだと思っています。