黒の呪術師と

今日は半世紀前のおもいで話を、、、

1972年8月。

2ヶ月にわたって、グレーハウンドのバスでアメリカ国内を動き回っていました。

クリーブランドからデトロイトへの夜行移動のとき、途中から巨大な男が乗車してきました。こっちに来るな来るなと思うまもなく、お隣の席にドスン。

おでこが切り傷跡で盛り上がり、腕の太さは半端じゃありません。でもクリッとした目が愛くるしい。

「お前は日本人か、オレは日本が好きだ」

大きめのアタッシュケースの中からチャンピオンベルトを出し示し、ジャイアント馬場さんの話をし始めました。「日本の田舎の風景は好きだ」とも。

話が楽しく、デトロイトまで一睡もできず。

それから数年して、テレビで彼の姿を頻繁に見るようになります。

悪役レスラー、黒の呪術師。

アブドラー・ザ・ブッチャー。

手帳の切れっ端に書いてもらったサインは引っ越しを繰り返すうちにどこかに行ってしまいました。

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コメント

  1. 増田寿幸 より:

    グレーハウンドでブッチャーに会ってデトロイトに到着とは凄い経験です。私は79年から80年にかけてデトロイトのミシガン銀行にいましたから当時のデトロイトのバスディーポがダウンタウンのどういう地区にあったかを熟知しています。とてもヤバい場所でした。まさにモータウンはマーダーキャピタルの真っただ中でした。私が大好きなエディーマーフィー主演のビバリーヒルズコップという映画にでてきます。