「サステナブルファイナンスは、持続可能な経済社会システムの実現に向けた広範な課題に対する意思決定や行動への反映を通じて、経済・産業・社会が望ましいあり方に向けて発展していくことを支える金融メカニズム、すなわち、持続可能な経済社会システムを支えるインフラと位置付けるべきものと考えられる。」
サステナブルファイナンス有識者会議報告書 「持続可能な社会を支える金融システムの構築」(2021年6月18日)にある文言です。
昨今、サステナビリティ・リンク・ローンなど、「サステナブル融資」をとりあげる地域金融機関についての報道が目立ちます。
ISO(国際標準化機構)のサステナブルファイナンスに関する技術委員会(ISO/TC322)では、サスティナブルファイナンスを
「環境・社会・ガバナンスといった要素を経済活動への資金提供に統合すること」
と定義していますが、
サステナブル金融のアドバルーンを上げる地域金融機関さん(大変結構なのですが)、ESGの要素を統合する対象の“経済活動への資金提供”は万全ですか?
このところ、旅芸人ブログでは、2期連続赤字とか、債務償還年数が長期化、さらには債務超過のような業況の悪い中小小規模事業者(コロナ禍で急増)に対しては、自らはノーリスクのゼロゼロ融資を出して任務完了。融資実行後は顔も出さないような地域金融機関がほとんどであることに苦言を呈しています。
ポストコロナに向けた事業変革、経営改善、事業再生の支援は待ったなし。
バランスシートが厳しくとも、そのための円滑な資金供給を怠るようでは、地域経済・社会を支える金融機関と胸を張ることはできないでしょう。
そういう金融機関がサステナブル融資と宣っても、手放しで拍手というわけにはねぇ~