株主総会が近づき、物言う株主の話が出てくるようになりました。
地方銀行に関係する記事を拾ってみると、
(1)東洋経済オンライン(4/26)
「次の標的は大林組、英ファンド『株主提案の狙い』」
https://toyokeizai.net/articles/-/668995
~2022年当時、シルチェスターは横浜銀行を中核とするコンコルディアFGやおきなわFGの株式も保有していたが、彼らには株主提案を行わなかった。提案を免れた2行は、直近決算における総還元性向が50%を超えていた。シルチェスターも、東洋経済の取材に「過去10年間、コンコルディアは定期的に自己株買いや増配を行っており、総還元性向は60%に迫る。これは岩手、京都、滋賀、中国銀行いずれの事例とも異なる」と答えている。(記事より)
(2)日経電子版(4/27)
「英シルチェスター、京都銀行に株主提案へ 特別配当求め」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF269HH0W3A420C2000000/
〜シルチェスターは京都銀行株の約8%を保有するとしている。京都銀の2023年3月期の年間配当予定は140円だが、コア事業の純利益の50%と保有株式からの年間配当の100%に相当する株主還元が必要だとし、計202円の配当を主張する。24年3月31日までに発行済み株式の1%に当たる50億円を上限とする自社株買いも要求するという。京都銀に対し22年12月以降に面談と要請を行ってきたが、同社の取締役会に拒否されたとしている。(記事より)
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「シルチェスターvs京都銀行」については、昨年もいろいろとあり、旅芸人も下記↓の通り、何度か発信しました。
昨今、株主への総還元性向が5割を越える状況で、
「ステークホルダーは株主だけじゃないだろう、ポストコロナに向けた事業変革支援や事業再生支援のため、ひいては地域経済のため、さらには従業員のために、もっと利益還元しなければならないだろう」
と思う旅芸人にとっては悩ましいところです。
シルチェスターの京都銀行に対する、保有株式の配当の全額を株主還元しろ(昨年もそうでした)というのは違和感があります。
京都銀行の保有株式の配当益がズバ抜けて大きいことは周知の通りですが、
この銀行の先達が築き上げた財産(30年ほど前にそのころの話を京都銀行の役員から聞きました)からの収入を全額株主へというのは乱暴な主張です。
「先達から引き継がれた財産を地域のために活用できているか、それが地域の発展へとつながり、地域と銀行との共通価値の創造になっているか」
地銀株に投資するのなら、この点をしっかりと見てもらいたいものです。
地銀なら、このことを粛々と実践し、地域からそれが評価されて、その上で、株主に対し胸を張って議論を仕掛けるべきです。
日経電子版の記事の方には、
「(シルチェスターは)京都銀に対し22年12月以降に面談と要請を行ってきたが、同社の取締役会に拒否されたとしている。」
とありますが、これはいただけません。対話をせずに拒否では何も進まない。