今回の地銀の決算説明会の話を聞くと、大手地銀や経営力の高い中堅地銀からは、東証の要請を意識しての、PBR改善に向けての発信が多かったようです。
ROEを意識した経営ということになるのですが、1日のブログで書いたように↓、
「ROE」を「ROA」と「自己資本比率の逆数」に分解した議論が必要です。
ROE= ROA x 自己資本比率の逆数(レバレッジ)
レバレッジをかけて(負債を膨らませる)、リスクアセットの量を増やして、そこから得られるリターンによりROEを上げようにも自己資本比率の制約があります。
ざっくりいえば自己資本比率を10%から5%に落とせば、ROE倍増となるのですが、健全性の観点から、そんなことできるわけありません。
結局のところ、ROAをいかにあげるかに尽きます。
30数年前、この算式に基づいて、欧米の銀行はROAの高いものへとアセット・アロケーションを大きく見直し、融資からグローバルな投資銀行業務へと大胆に舵を切りました。コストとリスクに見合わない取引はどんどん切り捨てられて、中小零細企業金融の担い手は株主を意識しなくて良い金融機関へと移っていきました。欧米の銀行の投資銀行業務の結末はムムム、です。
ところが、上記のブログでも書きましたが、
中小小規模金融の世界では、信用リスクに見合わない金利であっても、モニタリングコストをカバーできない労力がかかっても、それがコア業務であり、「ROE目標達成ありきのバランスシート縮小」という選択肢はありません。
結局のところ、“バランスシート取引(中小企業金融)を土台”に手数料ビジネス等を積み上げてROAを上げていくしかないのです。
目下のところ、ROAアップの救世主として期待されているのが、ストラクチャード・ファイナンス(SF)ですが、空中戦の市場型を除外すれば、お客様ありきであり、お客さまの事業内容を熟知し、信頼関係があることが前提です。
SFの仕組みを知り、担当部署を作るだけでなく、土台となるバランスシート取引のところを再点検しなければなりません。訪問件数が減っている、お客様との対話が質量ともに落ちている、プロダクトアウトの物売りしかできない、危険な兆候です。
さらにいえば、ぶら下がり融資はROE経営をやるのなら無用の長物です。
ソリューションビジネスとやらにつなげようと思うなら、お客様としっかり対話ができて、情報がいただけるポジションにいることは必須条件ですから。
コメント
ぶら下がり融資は、足腰を弱くするだけですね。他人のふんどし相撲ですから。自分事がいかに大切かと。