🚩「手段」の仕事で舞い上がるのは若気の至り?

「格好良いことをやりたい」

ストラクチャード・ファイナンスに代表されるいわゆるソリューションビジネスが、(メガバンクだけではなく)地域金融機関の若い人たちに人気があるようです。

気持ちは良くわかりますけど、これってあくまでも“手段”なんですよね。

ワタシ自身、20代~30代の頃はもっぱらこういう仕事に携わっていました。

1979年1月、日経新聞の一面トップに掲載された「80億ドルのシンジケートローン」の担当者(一番下っぱでしたが)として誇らしい気持ちになったこともあります。完全に舞い上がっていました。

40代以降、ワタシの仕事は地域金融が中心になりました。

お客さまと感動を共有することが地域金融の醍醐味なのですが、それを知ってから手段の提供はお客さまと向き合って苦労を重ねてきた最前線の仕事と比べると物足りなさを感じます。

しかるに、最近は若い人たちだけでなく、地域金融層の幹部や経営層も「格好良いこと」の方に目が行っているように思います。

地域金融機関の現場のチカラの落ち方は、とても放置できる状態でないのに。

週刊金融財政事情の8月1日号で論考を掲載してもらった背景はここにあります。

コメント

  1. K司 より:

    一時期、地域金融機関でも「なんちゃってシンジケートローン」が横行していたことがありましたねぇ。
    これって協調融資で良いのと違うの?って思うような融資も、メイン行とサブ行2行ぐらいでシンジケートローンの形にして手数料を取るみたいな。
    手数料分は金利を下げているので、オールインコストではお客様にとっては負担はないのだけど、金融機関側は半期半期の手数料目標を達成するために結構ドライブが掛かっていた時期もありました。
    その時ぐらいからかなぁ?リレバンが一気に「なんちゃってリレバン」に変わっていったのも(涙)