本日、金融行政方針2023が公表されました。
https://www.fsa.go.jp/news/r5/20230829/230829_main.pdf
日経電子版の報道にもあるように、今年は「資産運用立国の実現と資産所得倍増プランの推進」が目玉です。
森信親長官のときの二本柱は、「地域金融改革」と「資産運用改革」でしたが、その後の展開を見るに後者の方は道半ば。
行政方針2023からは、国家政策を踏まえ、強力な布陣による迅速なキャッチアップの意気込みを感じます。
地域金融については、規制緩和や検査マニュアル廃止など、行政としては制度面を中心に「やるべきことはやった、あとは当事者の問題」というステージに来ていると思います。
昨年のジンテックセミナーは、「誰かが決める金融からの卒業」がテーマでしたが、
金融行政方針2023の地域金融パートは、金融機関自身の「経営力を問う」ものとなっています。
~地域金融機関の経営トップにおいては、金融機関を取り巻く環境の変化が非常に速くなっていることを踏まえ、時間軸を意識しながら、果断な経営改革を進める必要がある。(行政方針、p20)
~地域金融機関が経営改革を進めていく上で鍵となるのが、中長期的なビジョンを踏まえた意思決定を支えるガバナンスと、その実施と価値創出を支える人的資本である。(中略) 具体的には、地域銀行における株主や取締役会によるガバナンスの発揮状況や人的資本・人材育成への取組状況について、経営トップをはじめとする各層の役職員や社外取締役等との対話を行う。(行政方針p21)
なお、
地域金融に関連する具体的取り組みとして、「事業者支援の一層の推進」があげられていることには、納得感があります。
コメント
行き着くところは、地域自己責任原則であり、金融仲介も資産運用も金融機関が自分の地域としてどうするか?が突きつけられてます。