16日の日経電子版「銀行に店舗は必要か 金融の未来、記者に見える景色〜銀行変身 リテール戦線異状あり 番外編」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB12C0J0S3A910C2000000/
ですが、
ニューヨーク駐在の大島記者の箇所を興味深く読みました。
〜それでもリテールの競争はデジタル投資だけでは決まりません。興味深いのが2001年から22年にかけての支店数の変化です。2001年が6万7827、22年が7万1007と今の方が多いのです。米銀の支店数はリーマン危機まで急拡大し、一時8万5000超まで増えてから減ってきていますが、そのペースは緩やかです。支店が思ったより減らないのは、銀行の規模を問わずその必要性を感じているからでしょう。新規出店を押し進めるJPモルガンだけでなく、バンク・オブ・アメリカも6月、4州への新規進出と出店拡大を発表しました。(記事より)
〜「金利5%」――。ふと通りかかった支店に張られた紙を見ると強烈なインパクトがあります。現場で銀行員の話を聞きたいという要望は、むしろ高金利時代の今こそ高まっているといえそうです。(記事より)
対面で労働集約型のバンキングの質を高めていくことは、日本の地域金融機関にとっても喫緊の課題です。
それを担う人材の大量流出に対し、あまりにも無策な経営の地域金融機関は少なくありません。
太平洋戦争末期の日本軍と変わらない。
コメント
先日、若手の起業家たちが集まる会合に出席して色々と話していると皆さんが一様に「これからの資金需要の相談はどこに行けばよいかわからない」「金融機関とどう付き合えばよいかわからない」と仰いました。
実際、金融機関が店舗を置いていても、効率化のためにそこには事業性担当のスタッフはおらずそうしたスタッフは店舗を構えない場所に集中されているケースが多く、決済等の預金取引を行っている店舗に行っても相談する相手はそこにいないわけです。
顧客目線からすればそうした利便性の低下、金融機関の価値の低下となることは、金融機関目線からすると効率化による短期的な収益の拡大にばかり目が行き見えていないのだと思います。
今、顧客目線に立ってオペレーションをする金融機関で出てきたら、圧倒的な地位を獲得することは間違いないのですが(実際経営者はそれを渇望しています)、なかなかそのような金融機関が出てこないのは、自分の在任中の成績にしか目が行っていないアマチュア経営者ばかりなのでしょうか?