最近、地域金融機関のトップインタビューで、「業績評価におけるノルマ撤廃」という発言をよく目にします。
それらの金融機関の現場といえば、
⑴ リスクを取らない (優良先しか相手にしない、過度に担保保証に依存)、
⑵ 長期貸出に偏向、
⑶ プロダクトアウト症候群、
という顧客軽視の “省力体質” が染みついているところも多いようです。(というよりは、ほとんどがそうです)
そういう金融機関では、顧客との距離は当然ながら広がり、信頼感も失っていることは明らかです。
こういう状況の中で、ノルマ撤廃の業績評価を導入すれば、現場の体質は変わるのでしょうか。
率直に言って ??? です。
ノルマ撤廃で成果を挙げている金融機関は、それ以前の段階で、業務インフラの根本的な見直し、企業風土の改革などを行なった上で、満を持して業績評価のところにメスを入れています。
ノルマ撤廃ありきで、顧客本位の持続可能なビジネスモデルを定着、浸透させることができるのでしょうか。
お節介ながら、今後の展開に注目します。
コメント
個人事業主となり1ヵ月。
色々な方々との出会いがあり、毎日が勉強ですが、先日グループで400人以上の職員を要するオーナーさんに会いました。オーナー自身がある地方銀行の勤務経験がある方です。同社の最大の経営課題は自社株の相続との認識ですが、残念ながらこの問いかけに真摯に情報提供に取り組んでくれる金融機関はないとのことでした。
取引銀行の支店長や担当者は毎月訪問がありようですが、金融商品の話がもっぱらで、相続の話題では節税商品やスキームの話ばかりだそうです。彼の関心は節税でなく、資本政策とガバナンスなのです。ノルマがあるかどうか分かりませんが、無くなっても話の切り口は変えられない金融機関人が多いようです。
当局のコメントや紹介事例に飛びつくだけで、自金融機関の現場(顧客・従業員)を理解できていない。それ故営業担当者のノルマなしといっても、店長には店の収益目標が示され、店長・役席サイドより営業課員には見えないノルマ遂行が当然指示されているはず。結果営業課員は数字を追うので依然体質は変わらないと思っています。