従来からコンサルティング業務に力を入れているとの定評がある某地方銀行の現場の話を顧客サイドから聞く機会がありました。
詳しくは書きませんが、コンサルティングの内容たるや、その業界に多少とも(十数年に過ぎませんが)いた人間からすればとてもお金をいただけるような代物ではありません。
結局のところ、顧客が借り手であることで成り立っているビジネス。
すべてがこうではないでしょうが(属人的な好事例はどこの金融機関にも存在します)、この銀行にはコンサルティングにしてもソリューションにしても、融資取引のない丸裸状況で成約できる人間がどれだけいるのでしょうか。
「貸しのない」力関係のもとでのデリバティブやコンサルティングの仕事の難易度の高さを知る人間からすれば、こういう業務でお金をいただこうと考える前に、「コンサル業務に取り組む」とかそんな大ごとではなく、目の前にいるお客さまにしっかりと向き合って、資金繰りに真剣に取り組みなさい、と言いたい。
資金繰りというのは単に貸し付けることではなく、お客さまがお金のことを心配することなく事業に専念できる環境を作り出すことです。
金融機関はお金のプロです。
自らのレゾンデートルである金融仲介がお留守になって、何がコンサルティングだ。
金融仲介は儲からないというが、リスクを取らず、汗をかかずでは、何をやろうが儲かりません。
コメント
>結局のところ、顧客が借り手であることで成り立
>っているビジネス。
不安ですね。
しかし、逆にそういう銀行ばかりだと、まともにやっている銀行はますます競争優位になりそうです。