~中小・地域金融機関の不良債権処理については、主要行とは異なる特性を有する「リレーションシップバンキング」のあり方を多面的な尺度から検討した上で、平成14年度内を目途にアクションプログラムを策定する。
第二次小泉内閣、竹中金融担当大臣のもとでの、
「金融再生プログラム ― 主要行の不良債権問題解決を通じた経済再生 ―」
https://www.fsa.go.jp/news/newsj/14/ginkou/f-20021031-1.pdf
の中の最後の文章です。
金融再生プログラム(2002年10月)から20年になろうとしています。
よく言われるように、2年間で不良債権を半分にすることを求められた大手銀行は合併により数が激減しましたが、地域金融機関の方は再編が進んでいません。
ワタシは地域金融機関の資本統合には「救済を除けば不要」のスタンスで一貫しています。
それはそれとして、
問題なのは、この20年間で地域金融機関の現場力が著しく低下していることです。
いまや、金融検査マニュアルの呪縛が解けたことで、地域の実態、事業者の実情に合致した金融仲介が可能となり、それを基盤とした多面的な業務が規制緩和によって実現できるのですが、
肝心要の現場力がガタガタの状態では、「金融検査マニュアル廃止」・「規制緩和」を活かすことができるとは思えません。
コンサルティング、地域商社などなどを標榜することを否定するつもりはありませんが、
それ以前に、「現場の再構築」を最優先課題として挙げ、「お金のプロ」であることを旗印として掲げる地域金融機関が出てこないのは不思議です。
出てこないというのは、恥ずかしくて言えないから?
経営が今の現場の実態を良しとしているのであれば、CS、ESの欠如した「裸の王様」状態と言わざるを得ません。
ちなみに、対事業者での「お金のプロ」というのは、単にお金を貸すことではありません。事業者がお金の心配することなく本業に専念できる状況を作ることです。旅芸人ブログでは常に主張していることですが、改めて。