9月6日の SBIグループの島根銀行への出資に関する記者会見 (当然、オープンの場です) に出席した Xさんの話を聞きました。
そこでのやり取りの詳細を聞いた中で、一番ポイントだと思った点は、P新聞社の記者による、
「議決権が3分の1の筆頭株主、役員が2人入る、解散請求権のリスクはないのか」
という非常に鋭い質問です。
島根銀行もご多分に漏れず PBR は低いレベルです。解散すれば理論上 PBRの逆数分 (PBRが 0.2であれば 5倍) の利益が出ます。
島根銀行側からは質問の意味が理解できなかったのか? 回答がなかったようですが (← 情けない)、
同席したSBIの幹部より、
「解散請求する意図はまったくない。それよりも課題としてしっかりと銀行のバリューアップを図る。」
との回答があったとのことです。
地元の顧客や行員としては、
「従業員のモチベーションを上げ、顧客本位のビジネスモデルを進化させて、銀行のバリューアップを図る」
との回答が絶対にほしかったですね。
これからの展開を見守るとともに、金融行政サイドにはこの点をしっかりとウォッチしてもらいたいと思います。
コメント
本件については、大変注目しております。地域の未来へのビジョンを見せて欲しいですね。一方で、本来地域の相互扶助の主体であった第二地銀が、資本の論理に振り回されない存在であって欲しいです。
島根県の経済に対し,「SBIが責任も持って取り組む覚悟があるのか」がポイントと思います。
「金融商品の草刈りが終われば放置(放棄)」では、地域に一層の疲弊を招くことになります。解散請求権に対する質問、実に本質をついています。
第一線で働く職員の情熱をつなぎ止め、ヒューマンアセットの崩壊を食い止める明確なメッセージが必要です。