岩手県盛岡市です。
地元のデパート、カワトク(川徳)に立ち寄りました。創業以来140年余りの老舗です。
目的はこのデパートの五階にある、中国産プーアル茶専門店、上海大可堂(たいかどう)の店舗を見ることにあります。
盛岡の伝統産品である南部鉄瓶は、ここ数年、ブレークしているのですが、そのきっかけとなったのがプーアル茶なのです。
プーアル茶は雲南省が原産地の高級中国茶です。中国人の所得水準が上がるとともに、中国国内での人気が高まり、プーアル茶ブームとなっているとのこと。
本日同道してくれたH氏は、かつて中国雲南省の昆明に行ったことがあり、プーアル茶の事情通。
プーアル茶は少量の茶葉を10~12回程度、熱湯を注いで飲み、最後はさらに加温して煮出し使用することから、保温性の高い南部鉄瓶がピッタリ。
数年前より、南部鉄瓶が中国に輸出され、昨年の上海万国博覧会ではプーアル茶の生産地である雲南省プーアル市と岩手県、さらには茶販売業者である上海大可堂の三者による共同展示ブースを出典しました。
今年に入ると、上海の大可堂本館に岩手県アンテナプラザを開設、大可堂は盛岡のカワトクデパートに店舗をオープンしたのです。 まさに南部鉄瓶とプーアル茶の相互乗り入れによるコラボレーション。
日本の伝統産業の多くは厳しい環境に置かれていますが、ここにヒントがあります。すなわち、単体ではなく、別のものとの組み合わせで新たな展開を模索することが求められます。
たとえば、健康志向に裏付けられた、世界的な和食ブームは、日本酒や和食器などのグローバル展開の道を拓いて行きます。まさに和食と日本酒、和食器などのコラボレーションですね。
中国との関係が冷え込み、一時の勢いはないものの、南部鉄瓶の中国への進出は今後も持続するものと考えられます。
カワトクデパートの大可堂の店舗で、入れていただいたプーアル茶を堪能しつつ、H氏とこのような話をしていました。
忙中閑。
コメント
同道させて頂きましたH氏です。
中国で急須と言えば、宜興紫砂が超有名ですよね。その宜興にも近い上海の茶販売業者が、南部鉄器の価値を評価してくれたことに、とても感銘を受けた次第です。