🚩資本統合って何のため?

7月20日、日経電子版「検証 千葉銀・横浜銀提携1年」(上)を読んでの感想です。

このブログで繰り返し主張していますが、ワタシは資本が毀損して地域を支える上で支障が出ない限り、地域銀行の資本統合(合併、経営統合)を行う意味はなく、業務提携、連携で十分に事足りると思っています。

そういう観点から、千葉銀行の武蔵野銀行とのアライアンス(CMA)、千葉銀行と横浜銀行のパートナーシップ(CYP)の行方には注目しています。

とくに一年前のCYPのアナウンス以降、地域金融機関の資本統合フィーバーは沈下し、CYPは地域金融にとって大きな転換点と思っています。

ほぼ時を同じくして、骨太方針で地銀再編が謳われていますが、これは資本に問題のある金融機関の合併・資本統合にフォーカスされるものと考えます。千葉横浜のような優良金融機関同士の資本統合というのは現実味がありません。

下記の通り、提携効果は当初想定の2.4倍と順調ですが、他の優良金融機関同士の資本統合の成果を、資本統合によるコスト増(機会コストも含む)との比較で聞いてみたいものです。

~両行は初年度(20年3月まで)の提携効果の金額を明らかにしていないが、当初の想定の2.4倍に達したと説明する。けん引役は法人向けシンジケートローンだ。初年度の共同組成額は約900億円。劣後ローンやLBOローンを活用し「1行ではなかなか組成できないロットの大きい融資に取り組んだ」(横浜銀の大矢恭好頭取)。ー中略ー 千葉銀の佐久間英利頭取は初年度の提携効果を振り返り「実質9カ月間の成果としては十分に手応えがある」と話す。千葉銀は埼玉県を地盤とする武蔵野銀行と16年に包括提携を結んだが、最初の5年間で見込む提携効果は110億円。千葉・横浜パートナーシップは5年で200億円と目標はより高いが、1年目の成果で達成に現実味も帯びてきた。(同記事より)

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    現状、銀行における資本統合は「システムコストのため」ですので、「自律分散型システム」ができれば、統合は無意味になります。そしてイノベーションとは必ず起こるものです。金融庁もそろそろ旧態依然の「長短金利差&貸出規模追求という昭和モデル」から思考を「新常態」に切り替える時かと存じます。学者先生におかれましては「独占的合併で貸出金利が上がらない」だの、まったく現実のニーズとかけ離れた無意味議論は机上だけにして、事業者のもとへ足を運ばれてはいかがかとオススメいたします。あ、東京は「NOT GO TO」でしたね。