先月のリーサム名古屋のサマリーが本日の日経に掲載されています。2ページぶち抜きです。
杖村さんと横山さんの基調講演は、改めて文章で読んでも素晴らしい内容です。
しののめ信用金庫(群馬県)の横山理事長のお話は数年前にジンテックセミナーでもうかがったことがあるのですが、愛本位主義は協同組織金融機関の「王道」だと思います。
規模だけを追加し、地銀の悪いところを真似するだけの信用金庫経営者にはしっかりと読んでもらいたいものです。
群馬から北上し、清水トンネルを抜ければ、そこは雪国・越後魚沼に入ります。その中心地、六日町は樋口与六(直江兼続)の故地です。
横山さんの話をリモートで聞きながら、直江兼続の愛の兜を思い出しました。
なお、地域金融変革運動体の面々も紙面に登場しているのでお忘れなく。
コメント
“定義なきハードル”が耳あたりのよい言葉やスローガンで説明されることが多い地域金融機関では、都合よくハードルを引き下げて、もっぱら自らの財務改善のためでしかない「なんちゃってリレバン」「なんちゃって地方創生」「なんちゃって事業再生」が横行しがちのように思えます。横山理事長は愛という言葉の耳あたりのよさにご自身もかつて疑問を持ったことを話された上で、愛本位の定義を本基調講演できちんと説明されておられました。たしか「愛のない行動は、無関心」という愛本位主義行動の補集合の行動を明示されていました。これによりしののめ信金さんのステークホルダーにきちんとハードルが伝わり、ステークホルダーの誰もが、愛本位の行動かどうかが判別でき、監視ができます。持続可能なビジネスモデルには、そこで使われる耳あたりのよいテクニカルタームのきちんとした定義が必要なように思えます。
単年度会計で数値化して利益貢献が計測できないものを無価値と切り捨てる経営が、組織も地域も職員の意欲も破壊していくことは自明です。ではそうした計測できない世界に迫るにはどうしたら良いか。1つは、幸せの数がどれだけ増えたか。面白いと膝を叩くようなエピソードがどれだけ増えたか、でしょう。愛本位とは、協同組織金融の軸と言えます。