デパートがないのにバス停は「デパート前」

  宮崎県第二の都市、都城に行きました。

  周辺人口を加算すれば、おそらく20万人以上の商圏があります。

  街の中心部に「デパート前」というバスの停留所がありましたが、肝腎のデパートがありません。

  残念ながら、そこにあった地元のデパートは閉店となり、ビルしか残っていませんでした。

 よくある話ですが、郊外に全国展開のショッピングセンターができたために、そこにお客さんを取られたのが原因であると言われています。

  例のごとく、よそ者の無責任な話をします。

 そもそも、大規模ショッピングセンターができたといっても、それを喜ぶのは若者や若い世代の家族なのではないでしょうか。

  都城もおそらくは高齢者人口の比率が高いはず。

  地域で一番お金を持っている高齢者は、だっだぴろいショッピングセンターは歩くだけでも疲れてしまいます。彼らは商店街や地元デパート(コンパクトな規模の)での買い物のほうが快適なはずです。

  地元のデパートの復活の鍵は、高齢者需要 (孫へのプレゼントも含む) に合わせた品揃えと、高齢者の送迎、商品配達サービス、高齢者をサポートするインフラ (休憩スペースや簡単な医療施設)、高齢者向けのエンタテイメント (たとえば、昭和30年代の映画の放映) などだと思います。

  デパートの経営者はどうしても、デパートはかくあるべしと言うこだわりを持っておられます。

 私のような門外漢が、高齢者特化型などと言うと眉をひそめる方が多いのですが、たとえばデパートの定番である高級ブランドなどは不要なのではないでしょうか。

  大事なことは、中途半端ではなく、徹底です

  閉店したデパートの建物をながめながら、手遅れにならない段階で、このような道を選んでいれば、「デパート前」は、いまも名実ともに「デパート前」なのでは、と思った次第です。


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