本当に謝罪しなければならない相手がある

10月25日の日銀記者クラブにおける商工中金社長の記者会見の速記録を某メディアの方に読ませてもらいました。

冒頭、お詫びの言葉から始まるのですが、非常に違和感を覚えました。

「取引先を初め、広く国民に多大なるご迷惑をご心配を掛けていることを改めて心よりおわび申し上げる。」

国民の税金を悪用したわけですか、国民に謝るのは当然ですが、取引先以上に迷惑をかけている人たちへの謝罪がないことに驚くとともに、「この組織は問題の本質が分かっているのか」と情けなく思いました。

民営化の議論があった2006年より関与し、商工中金には中小企業・地域経済のために役割を果たしてもらいたいとの思いが強いものですから、残念でなりません。

今回の不祥事で一番迷惑 (それどころではない。被害である) を被ったのは民間金融機関です。

金融庁の検査結果で明らかになった通り、税金を悪用して民間金融機関のビジネスを横取りしたわけですから。

商工中金をはじめとする政府系金融機関の役割はあくまでも民業補完です。民間金融機関あっての政府系金融機関です。

再出発するにあたっては民間金融機関に謝罪し、まずは信頼関係の再構築です。

「在り方検討会」ではここから始めなければならないと考えています。


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