12月7日の黒田日銀総裁の講演会での質疑応答の様子を聞きました。
「地域金融機関の問題。より構造的で複雑な問題に仲介をするうえで直面していることは明らかだ。現在は資本の状況が充実しているかもしれない。将来に当たって考えた場合にどのような課題を持っているか。」
という大手シンクタンクからの質問に対し、
「低金利以外の収益悪化要因については“人口や企業数の減少で(地銀の)店舗や従業員に過剰感が生じており、金利競争が激化している”と分析。その上で“経営効率化の観点から店舗配置の合理化や経営統合なども重要だ”と強調した。」(時事プレス)
とのこと。
金利競争が激化しているのは債務者区分でいうと正常先であり、そこは血で血を洗うレッドオーシャンです。
その一方でミドルリスク層以下は日本型金融排除に陥っていることは否定できません。
ミドルリスク層にしっかりと向かいあって、組織的継続的なリレバンに真摯に取り組んでいる地域金融機関 (数は限られています) は、マイナス金利になろうが、それなりに成果を出しています。
日本型金融排除のゾーンはブルーオーシャンです。だから商工中金には存続をかけて、そこに取り組んでほしいという展開になっているのです。
黒田総裁の話はメガバンクのこととしか聞こえません。
たしかに地域金融機関の業務が、
👉 すべてトランザクションバンキングで、
👉 業務提携やアライアンスという手法がない、
という前提のもとでは黒田総裁のおっしゃる通りですが、実際は、、、
日銀上層部のリレバン軽視 (2003年のリレバンスタート時点からずっとです) には、つねに違和感のあるところです。
中小企業金融、地域金融の現場を見ているのでしょうか?