さっさと銀行の看板を下ろせ‼️

昨日のブログで、中国財務局主催の「金融仲介の質の向上に向けたシンポジウム」の話を書きました。

このシンポジウムで基調講演とパネリストを務められた森俊彦さん (日本動産鑑定会長、もと日本銀行金融高度化センター長) より、福岡財務支局のシンポジウム (同じく森さんが基調講演とパネリスト) の方も見るようにと連絡がありました。

福岡のパネルディスカッションでは、地域銀行X のレイジーバンクぶりが露呈し、会場が騒然としたようです。

まずは、株式会社ブランチェス (創業20年、保育園の経営) の代表取締役である権藤光枝さんの発言から、

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「業績はずっと右肩上がりです。金融機関とも長くおつき合いをしてきました。ただ、この5年間、事業の拡大を積極的に推し進めていまして、3月と4月に、3カ所同時に開園するという、ピークの状態に達しておりますが、このような時期は、本当にお金が必要になります。
(中略)
昨年8月、社員の子育て支援の一環として、この「企業主導型保育園」を当社内に開園し運営 を始めました。初期投資として箱物を建てましたが、経費の4分の3は補助金が支給されます。 問題は運営費でして、子供1人に対して国から補助金が支給されますが、開園して半年以上、補助金が全く支給されませんでした。ということは、人件費などの運営に関する費用は先に出てい きますが、収入がありませんので対応に困り、今まで取引のあった金融機関さんに相談をしたところ、月次報告などもしっかりとしていたのですが、担当者がなかなかうんと言ってくれません。 それが10月ぐらいの出来事でした。その後、1カ月経過しても音沙汰がなく、今月の人件費や12月の賞与が払えなくなるのではないかといった危機感もあり、今まで全く取引のなかった金融機関さんに相談をしたところ、基調講演 (多胡注: 森俊彦さんが担当) にもありました「事業性」ですね、当社の事業内容や商流を見ていただき、2、3日くらいの短期間で、上司の方を伴い再訪いただいたうえで、「これはやりましょう」と事業に理解をいただき、借入れをすることができました。
本当に首の皮一枚、寸前でつながったという状況で、この融資がなかったら、私はここに座っていなかっただろう、年も越せなかっただろうと思います。」(議事録より)

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呆れました。

長い付き合いがあり、返済財源が確定しているのに新たな運転資金の出せない銀行員。

保険や投資信託の販売や、賃貸アパートローンにしか眼中にないのでしょうか。こちらの方が、よっぽどリスク (フィデューシャリーデューティーの視点も) が大きいのに。

恥を知れ‼️です。

さっさと、銀行の看板を下ろした方が良いですね。

福岡は事業者数が多く、景況感も良いためか、プロダクトアウトのトラバン天国であり、組織的継続的な顧客本位のリレバンは不毛との認識でしたが、ここまで酷いとは思いませんでした。

パネリストとして登壇していた銀行のヒトは、さぞや居心地が悪かったでしょう。

西日本シティ銀行 浦山取締役専務執行役員:
「権藤社長のお話の中で融資を取り組めなかった銀行が、当行でなければいいのになという、是非、そうでないことを願っていますが、当行だったらどうしようということが1つ不安の中にあります。」(議事録より)

権藤社長:
「浦山専務が仰った、うちの銀行じゃないかということですが、「違います」と言えば、多分、皆さん帰られて、当社と取引があるのか絶対に調べると思います。是非、それをやっていただきたいです。」(議事録より)

西日本シティ銀行はセーフだったようですが、会場で聞いていたであろうレイジーバンクX は、果たして権藤社長の声を真摯に受け止めたでしょうか。

喉元過ぎて熱さを忘れるようでは、お し ま い。


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