昨日の日本経済新聞にストレステストについての説明がありました。
~経済状況が悪化したり、市場で不測の事態が生じたりしても銀行が健全性を保って業務を続けられるか調べる手法。経済成長率の落ち込みや国債価格の下落、外国為替市場の急変など大きな負荷(ストレス)がかかる状況を想定し、耐久力に疑いが生じるおそれのある銀行は資本増強などの対応が求められる。~(きょうのことば「ストレステスト」抜粋)
ストレステストは地域金融機関でもお馴染みで、市場リスクのみならず、信用リスクについても定期的に行なっているのですが、昨今の早期退職者の急増、新卒者の採用難から、最大のリスク要因となっているヒューマンアセットの崩壊についてもストレステストを導入しなければならないと考えます。
今のペースで早期退職者が続いたら、新卒採用のペースダウンが続いたら、融資の質や量にどのような影響が出るか、与信管理体制はどうなるか、有価証券運用に関わる人材を育てることができるか、品質の高い監査体制を維持できるか、などなど。
耐久性がなければ、対策を講じなければなりません。おそらく人事制度や給与体系に手を入れるだけではなく、根本的なところから見直さねばならないでしょう。
やるべきことは満載です。
ヒューマンアセットの崩壊で組織が維持できなくなり、吸収とか解散も非現実的ではありません。
まあ、吸収買収する側には負ののれん代による特別利益がガッポリ入るし、解散しても今の株価 (PBRが情けなるほど低い) で株式を保有している株主は損しませんが。
でも地域の顧客にしてみたらたまったものではありません。
コメント
例えばRAFを構築する際、経営理念の検証ではなくフレームワークの形式整備から始めた場合(残念ながら殆どの銀行がそうすると思いますが)、ヒューマンアセットについて議論されることなどまず無いのではないでしょうか。
リスクアペタイトはどのリスクを「積極的に取るか」もそうですが、逆に「断じて許容しないか」も肝要になります。
そして、AI任せのトラバンでもない限りヒューマンアセットに関わるリスクは断じて許容するべきではないと思います。
私事ですが、会社の方針に失望しすぎて退職を意識し始めたころ、仕事でミスをしてしまいました。その際、報告書の理由欄の最後に、「会社の方針に失望しモチベーションの低下から集中力が散漫に・・・」と付け加えたら、上司が目を丸くしてすっ飛んできて書き直しを指示されました(笑
当然書き直しの指示は来るだろうと予想していましたし、子供っぽい抵抗だったかもしれません。
とにかく、モチベーションが低下すると、自分でも怖いくらいに集中力も下がります。退職前に大きなミスだけはしないように!それを一番気を付けて最後は綱渡りのような精神状態で仕事をしていました。