不適格社長にモノが言えない

伴走支援で中小企業の経営改善、事業再生を行なっている独立系のプロフェッショナルたちと会いました。

厳しい業況の企業の中には、経営者としての自覚も責任感もなく遊び回っているだけの不適格社長が少なからず存在しており、そういう会社であっても取引先や従業員のために、企業価値維持(さらには再成長) に向けて全力を尽くしているとの話をうかがい好感を持ちました。

気になったのは以下のフレーズ。

「不適格社長は粉飾を隠蔽し、取引金融機関から人を受け入れて、当該金融機関から金を引き出すことしか考えていないが、金融機関サイドは騙されて言いなりになっているケースも少なくない」、

「本来ならば引導を渡さねばならない不適格社長たちに苦言を呈することのできる金融機関の人間が非常に少なく、そういう局面であっても我々に丸投げする」、

最前線がこんな惨憺たる状況でも大本営では「ミドルリスク層に取り組め」と進軍ラッパが鳴り響いています。

そもそもリスクテイクできる体制になっているのか??? (金融商品の物売り体制でできるものではない)

それができる人材はいるのか、適材適所となっているか、そういう人材は処遇されているのか、

ウーーーーん、

クワバラ、クワバラ。

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コメント

  1. 東北の銀行員 より:

    実際「不適格社長たちに苦言を呈することのできる金融機関の人間」というのは少数であるように思います。

    先日のアネックスで「支援型金融を目指すなら、時には顧客にとって耳の痛い話もしなければならず、怒られる覚悟も必要」というコメントをさせていただきました。
    もちろん怒られる覚悟で耳の痛い話をしますが、こちらが本気で支援を行う限り顧客は怒るどころか真剣に話を聞いてくれますし、結果として本音で対話できる関係になる場合が殆どです。
    但し、顧客とこうした関係性を構築するまでに担当者は相当の時間と労力を費やすことになり、この点に於いてやはりリレバンは労働集約型産業なのだと感じます。そして同時にこれを(評価項目でも無い場合は特に)面倒がらずに取る組むことができる人間がどれだけいるのか甚だ疑問です。

    優越的地位を利用したプロダクトアウトで商品を売り、顧客から忖度のこもった感謝の言葉を掛けられたとしともそれは顧客本位やリレバンとは全く別物です。
    本気でミドルリスク層に取り組むのであれば、進軍ラッパを鳴らす前にまず自行独自のRAF構築やそれに伴う業績評価の見直し、そしてプロフェッショナル人材の育成を図ることが肝要かと思われます。

  2. 長野の銀行員 より:

    東北の銀行員さま、寺岡先生のおっしゃる通りだと思います。
    【金融機関のプロフェッショナル】という定義と【金融機関の行職員としての誇り】を再度、振り返る必要があると思います。