東北の教訓

地域金融変革運動体(長野)のメンバーである松崎堅太朗さんのフェイスブックに、3月7日の Yahooニュース(毎日新聞)、

「被災企業への公的資金実らず グループ補助金でも倒産75社 返済本格化が背景」

についてのコメントがありました。

ワタシはこの記事を見過ごしていたのですが、下記の点に注目しました。

~ 東日本大震災で被災した企業の建物や設備の復旧費の一部を国と県が補助する「グループ補助金」を受けた岩手、宮城、福島3県の企業計 75社が、業績が回復せず倒産した

~ 借入金の元本の据え置き期間が順次終了し、返済が本格化していることが背景にある

~ 倒産した75社は県別で宮城46社▽岩手15社▽福島14社

~ 震災から9年近くたち、自己負担分の返済を最長5年間据え置きできる期間は順次終了し、返済が本格化していることが急増の理由とみられる

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この記事を見て、「危機対応の支援はカネを出すだけでは不十分」であることを再認識しました。

そもそも、カネをつけるだけで、自走できる事業者は多くありません。止血剤が効かなくなればアウトです。

止血剤の効いている間に、経営改善支援や販路拡大などの本業面での支援が不可欠なのですが、東北の金融機関は、これらの企業に対し、経営改善支援などの本業面での支援を行っていたのでしょうか?

さて、

コロナウイルス対策で打ち出された日本政策金融公庫の無利子無担保のセーフティーネット融資も止血剤です。自走できる事業者には有効でしょうが、そんな事業者は多くはありません。

資金供給とともに経営改善支援などの本業面でのサポートを行う伴走型の金融機関や中小企業支援機関が出てこなければ、東北の轍を踏むことになります。

リレバン金融機関と、経営支援をしっかりやる保証協会による責任共有の仕組みです。

レイジーで顧客本位の欠落している地域金融機関経営者にはご退場いただき、資本余力のない金融機関には金融機能強化法による公的資金投入は避けられないと思います。

信用保証協会の経営改善支援の姿勢は地域によって大きな差があるように感じます。いままで経営改善支援をおろそかしていた保証協会は大変ですが、真剣に取り組んでもらわねばなりません。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    リレバンはレジリエンス(つまりはSDGs)そのものです。「全身マッサージ機50万円を無利子で買ってやるから、フルマラソン頑張れ」と言われても困ります。