🚩小規模零細事業者の視点は?

協同組織金融機関の業界の集まりに出席しました。

コロナ禍で財務基盤の強くない小規模零細の事業者(経営者の平均年齢は70代)が倒産のみならず大量廃業の危機にあることを改めて認識しました。

昨今、中小小規模事業者の生産性向上が話題になりますが、骨太2020の26ページには「中小企業から中堅企業への成長阻害要因の除去による企業規模拡大や、付加価値増大によって生産性向上を後押しする。」との記載があります。

そのプロセス管理のために、成長戦略フォローアップ案の230ページには、KPIとして「中小企業から中堅企業に成長する企業が年400社以上となることを目指す」と書かれています。

生業たる小規模零細事業者というよりは、そこそこの事業規模を有する中小企業の話に見えます。しかも規模の拡大による生産性向上という視点です。

資本金1億円以下(製造業や建設業などは3億円以下)、従業員5人以下(製造業や建設業などは20人以下)のいわゆる小規模零細企業は、総企業数358万社のうち305万社を占めている(2016年統計)にもかかわらず、この層に関する記載はありません。

ワタシは仕事柄、過疎地(小規模零細企業が地域経済の担い手となっている)の地域金融、中小企業金融に直面することが多く、骨太2020も含め中央での議論において小規模零細事業者の視点が欠落していることに大きな違和感を感じます。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    街の魅力は、パン屋、お菓子・ケーキ屋、饅頭屋、蕎麦屋、鰻屋、コロッケ、唐揚げ、たい焼き、お好み焼き・たこ焼き、雑貨屋が支えているのでは?別に中堅企業になりたくてやってる訳ではないですよね。国の税金をジャブジャブ投入するのは、あれですがスモールビジネスをネガティブに捉えかねないような施策は、愚かの極みです。

  2. 長川康一 より:

    大手外食店が店舗閉鎖に大きく舵を切っています。
    この機に安心・安全・地域に根差した新規独立開業者が増えていただきたい。

  3. 増田雅俊 より:

    規模拡張を事業目的と位置付けるのには違和感あり、ですよね。
    大企業・中堅企業・地域内大企業・中小企業・零細企業・個人事業・・・規模別の統計・分析にそれなりの意義は認められますが、比較対象の基準として規模を用いるのは適切とは言えないケースが多いのでは、と存じます。
    日銀短観の調査対象となっている「中小企業」も、日常的に接している周りの中小零細企業の実態を反映しているとは言い切れない、かと存じます。
    未だに、高度成長期の「大きいことは良いことだ」的尺度から離れられない方が多いですよね・・・特にメディア関係者に特徴的な傾向です!