「リレバン疲れ」という言葉を最近よく聞きます。
トップ地銀、とくに大都市圏の地銀の行員の中に「リレバンに違和感がある」という人たちがいるのだそうです。
リレバンは、
~金融機関が、顧客との間で親密な関係を長く維持することにより顧客に関する情報を蓄積し、この情報を基に貸出等の金融サービスの提供を行うビジネスモデル。
~資金を融通することに留まらず、ヒト、情報、 ネットワークを駆使することで顧客の事業そのものを支援し、顧客の価値向上を支援することを目的とする。コロナ禍で求められる経営改善/事業再生支援も当然ながら含まれる。
~取引先の企業価値向上が金融機関の収益になって戻ってくるという、顧客と金融機関の共通価値の創造。
なのですが、
トップ地銀の取引先の中にはリレバンを必要としない事業者がいることも事実です。経営者のみならず従業員も人材が揃っていて、金融機関の事業支援ごときものは不要という企業です。
こういう企業だけを相手にしている銀行員が「リレバン疲れ」を宣うのはわからないではありません。投資銀行業務もどきでもクロスボーダー取引のお手伝いでもプライベートバンキングでも、ソリューションビジネスとやらでご提案すればよろしい。
でもこういう企業との取引となると競合相手のレベルは高いですよ。メガバンクだってこういう企業は手放さないし、外資系だって入ってきます。企業の方も目が肥えているから生半可な提案では相手にされません。
ところが、こういう企業であってもコロナ禍で売り上げが蒸発して苦境に陥るところが急増するものと予想されます。藁をも掴む思いで地域金融機関の資金繰り支援、事業支援、金融支援を求めてくるものと想像します。
ソリューションビジネスも地域金融機関の場合にはリレバンという土台があってのものです。
「リレバン疲れ」などと言っている場合ではないと思うのですが。
コメント
イベントでやるなら疲れますよ。なんでも。SDGsでお疲れのところもあるのではないでしょうか。読書も。今の若い方々は、コモディティはできるだけ自動化したいので、お願い営業という言葉が死語になることは自明です。お役立ちをイベントとして位置付けている経営の方が余程、お花畑ではないでしょうか。そんな産業、金融以外にないですよ。
月刊誌Fにあったこのフレーズ。
〜10月下旬、筆者に一本のメールが届いた。「〇〇信用金庫の融資部長××××と申します。金融庁は金融機関に企業支援の役割まで期待しているように思われます。当金庫もその方向に向かいつつあり、私個人では反対しています。金融庁はコンサルティング=事業性融資の利回り改善と位置付けていますが、そう甘くありません。私自身はリレバン(地域密着型金融)のみでは、金融機関は飯が食えないと思っています」
信用金庫までこういう意識なんですかね。
まあ、地場産業は不動産賃貸業だと平気でおっしゃる大都市圏の信用金庫の幹部もおられるようですから。
現役地銀マンです。
担当者ベースではリレバンの意識高く顧客との関係性構築に
尽力している、もしくは尽力したいと思っている一方、
施策、指示がその方向と一致せず、ヒューマンアセットが
崩れ堕ちてます。
リレバン疲れしてるのは経営陣なんです。。。実態として。