「一条堤」が示唆するもの

東日本大震災の津波被害を教訓に、静岡県と浜松市が整備した遠州灘海岸の防潮堤(浜松市南区、西区)が本年3月に完成しました。

この事業には地元関係の企業や団体が寄付しましたが、中でも浜松発の全国区企業である一条工務店の300億円が突出しています。防波堤は「一条堤」と命名されたそうです。

~一条工務店は同市創業。宮地剛前社長は震災直後、同社がスズキの鈴木修会長に寄付の仲介を相談した当時を振り返り「本気かと驚かれたが、極めて早く仲介に動いてくれた。県、浜松市と何度も協議を重ねて整備計画が実現に至った」と思いを述べた。(静岡新聞オンライン、「遠州灘防潮堤の完成報告 静岡県と浜松市、一条工務店に感謝状」2020/11/16 )

「地元に育ててもらって大きくなれたから、危機的局面には地元にお返しをするのは当然」というのは、地域金融機関にも通じるものがあります。

地域金融機関の資本勘定はお客様との長年にわたる取引から得た利益が積み上がった結晶。

であれば地元のお客様が苦境に立ったときには資本勘定を取り崩すぐらいの覚悟を持って支えるのは当然だと思います。

100年に一度という未曾有の危機の今こそがそのタイミングではないでしょうか。

 明日は久しぶり(といっても4月3日の高崎以来ですが)に新幹線に乗ります。 浜松まで往復してきます。 当初4月8日に入っていた予定のリスケジ...

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コメント

  1. 長川康一 より:

    立派な会社ですね。利益の一部を寄付するとかといった形だけの社会貢献でなく、地域住民の将来の安全を確保するということに、何年分もの利益を踏まえて寄付する決断ができる経営者が素晴らしい。そこには自社の仕事への自信があふれています。社員にとっても大きな誇りと自信になっていることは間違いありません。お金の使い方を分かっていらっしゃる。