本日の日経新聞は朝刊トップ記事、さらに地方版も、都道府県別の預貸率ランキングです。
預貸率を個別銀行の取り組みの事例紹介にひも付けるパターンはさておき、印象に残ったものを列挙します。
★北海道版
~リスク回避を最優先とする地域金融機関が多く、小樽商科大学大学院の斎藤一朗教授は「(ゼロゼロ融資で)稼いだ時間で取引先の事業構造の変革をお手伝いしなければならないところだが、そうした動きが聞こえてこない」と厳しく指摘する。(記事より)
斎藤教授はこちらにも↓
★東北版
~北都銀行再生エネ事業向けの融資残高は3月末で617億円に上る。12年3月に秋田県にかほ市の陸上風力発電事業でつなぎ融資を実行したのがきっかけだった。プロジェクトファイナンス(事業融資)の手法を習得し、融資拡大につなげた。企業への融資額のうち、再生エネ事業が占める比率は14.8%に上る。10%を超える地銀は全国でもトップ級だ。しかも県内の企業への貸出比率はおよそ95%を占めるなど「地元の活性化につながる融資を実行している」(営業推進部)という。(記事より)
★信越/北陸版
~長野県の預貸率は42%で北信越で最も低かった。県内の金融機関の関係者は「長野県民は昔から身の丈に合った投資をする県民性だと言われる。貯蓄の中から家を買ったり、設備投資をしたりする傾向が強い」と話す。(記事より)
★中部版:
東海3県の預貸率が全国平均(58.1%)を下回る一方で、3県に本店を置く地域銀行の預貸率が軒並み70%を超える理由を分析しています。
~ヒントは金融機関の規模別データにある。日銀名古屋支店が公表する愛知、岐阜、三重県の金融経済指標を基に計算すると、3県の直近の預貸率は地銀が71.5%だったのに対し、メガバンクは26.6%にとどまった。地銀の預金残高は30.5兆円に対してメガバンクは32.6兆円と差は小さいが、貸出金残高は地銀の21.8兆円に対し、メガは8.7兆円にすぎない。メガは率先して店舗統合を進め、ペースも速い。近くの支店がなくなって不便になったなどの理由で、メインバンクを地銀に変える動きが広がったとみられる。(記事より)
★関西版
~預貸率が全国最低の奈良県。1世帯あたりの貯蓄高が高い一方で、事業所数が少ないことが背景にある。南都銀は実質県内総生産を20年から10年かけて1割高める目標を掲げる。意識するのが銀行の枠を超えた「実業への参画」だ。(中略)橋本隆史頭取は「南都銀はそこまでやるのかという共感を生み、奈良が動くきっかけをつくりたい」と訴える。(記事より)