🚩巨大な海外金利リスクにさらされた地域金融機関

旅芸人ブログでは、地域金融機関の有価証券運用の現状に強い警鐘を鳴らしています。詳しくはこちらを↓

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さて、今朝の日経電子版、金融PLUS「地銀が抱えたグローバルリスク」(玉木金融エディター)を読み、問題の深刻さに愕然としています。

この記事、必読です。

玉木さんも指摘していますが、

「その他の証券」が地銀ポートフォリオのなかで比率を高めていることが大きな懸念材料です。

~山口FGが損失処理した外国債券や株式投信の保有額は「その他」に分類された有価証券だ。実は、地銀界はこの10年「その他証券」に依存し始めている。(同記事より抜粋)

~地銀向けに市場運用を助言する和キャピタルが興味深いデータを集計している。地銀・第二地銀が保有する「その他証券」が21年3月期末で有価証券残高に占める割合が約37%に上り、10年前と比べほぼ倍増した。集計した07年度以降、最高を更新し続け、その他資産は地銀の運用資産において主要な運用先になっている現実だ。(同記事より抜粋)

~16年前後から米国債を中心とした外債と並ぶ運用先に膨張したのが「投資信託」だ。「その他証券」の内訳はざっくり言うと①外国債券②投資信託の2種類だが、日銀の集計によると、地銀と信用金庫を合計した外債運用額は16年末がピークで、足元は当時と同じ19.5兆円だ。一方、当時13.2兆円だった投資信託は右肩上がりで増え、2倍には届かないものの21.8兆円に膨らみ、外債運用のボリュームを上回った。「マルチアセット」「海外金利系」と呼ばれる主に米国債で運用する投信が全体の46%を占める(同記事より)

まさに

地域金融機関が「巨大な海外金利リスク」にさらされている、

という恐ろしい現実です。

玉木さんも書いていますが、このリスク、トランプラリーのときとまったく異なるものです。

放置すればどんどん拡大していく類いのものと考えられます。

今月末の決算時点で減損ルールに抵触しないからと、枕を高くして寝てられるような状況ではありません。

~260億円の黒字としていた2022年3月期の業績予想を135億円の赤字に転落する大幅下方修正。その原因は「含み損を抱える外国債券・株式投信」だった。(同記事より)

山口FGの英断、素晴らしい経営判断だと思います。

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