~事業を承継してくれる後継者を見付けられなかった企業が取り得る選択肢は、大きく2つしかない。すなわち、廃業するか、同業者などに事業・企業を売却するかである。実は、後者に関わるM&A(企業の合併・買収)業界は今、「中小企業の生産性向上」という錦の御旗を掲げた国の中小企業政策も後押しとなって、全盛期にある。M&A仲介業者は、まさに我が世の春を謳歌しているところだ。買い手企業に対し、後継者難の中小企業の買収を次々に持ち掛け、M&Aの成立手数料をせっせと稼いで収益を拡大している。地域金融機関とタッグを組んでM&Aの成立に臨むこともしばしばだ。しかしM&Aの成立件数は増えても、肝心の「M&A後の生産性向上」までM&A仲介業者が企業をフォローアップするケースは少ない。仲介業者の取り組みは、単なる「中小企業数減らし」になっている面が否めない。
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本日のダイヤモンドオンライン「地銀出身者3人が起業の新会社、M&A仲介業者に中小企業支援で勝る理由」(橋本卓典さん)のなかにある文言です。
https://diamond.jp/articles/-/302063
M&A仲介業者への丸投げで手数料稼ぎに邁進する地域金融機関の体たらくぶりに腹立たしさを覚える昨今ですが、
この橋本論稿に登場する、もと地銀マンたちの行動にはエールを贈らずにはいられません。
是非ともご一読を。
コメント
ありがとうございます!
「中小企業を減らすではなく、経営者を増やす」
今までこの発想に立っての取り組みはなかったと思います。
中小企業の再編も進むでしょうが、それは目的ではないはず。優秀な経営者もいつかは老います。集約には限界がある。ならば、従業員も生き生きとする経営をする経営者を増やすことの方が大事なんじゃないかと。