11月17日は、北海道拓殖銀行が破綻した日。1997年のことです。
当時、札幌在住の友人たちに電話をかけまくり、彼らからは毎日のように道新の切り抜き(電子版なんていう便利なものもなく)や地元経済誌を送ってもらい、食い入るように読んでいました。
その内容は、上っ面だけ撫でた東京の報道から感じるものとはまったく異なるものでした。
東京では都市銀行13行の最下位の銀行が破綻するという軽微な感覚でしたが、地元報道から見た北海道の状況は東京に置き換えてみると、「富士銀、第一勧銀、三菱銀」が消滅したかのような恐ろしいものでした。そのことを東京の人たちのなかで話すと腰を抜かすような顔をされたことを思い出します。
さて、
25年経過したということで、今週は日経北海道版で連載の特集が組まれています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC076HW0X01C22A1000000/
第一回目の本日「第二のニトリ 誕生なるか」で印象的だった箇所は記事の最後の締めの言葉です。
「銀行に頼りすぎない財務体質づくりも磨いた」
この結語を裏付けるようなアインホールディングスの大谷社長の言葉もズッシリと響きます。
「銀行融資ではなく、返す必要が無いお金を調達すべきだ。利益を出して投資するのは堅実だが、スピードは上がらない。時価総額を上げるには成長戦略をどう投資家に伝えるかが重要だ。10%増資するとしても時価総額2000億円なら200億円調達できるが、時価総額100億円では10億円しか得られない。北海道には成長の可能性を持つ企業もたくさんあるが、資本市場を理解していない。100億円くらいの売り上げで自由にお金を使えれば、経営者として心地いいだろうが絶対に成長できない。バブル期には北海道にも若手経営者がきら星のごとくいたが、彼らはうたげに興じ、数字をきちんと見ていなかったのではないか。」
5回連載になるものと予想されますが、どんな展開となるか楽しみです。