地域金融機関の経営課題に関する仕事を受け始めて、20数年になります。社外役員の仕事も最初に声をかけてもらったのは2004年ですから、地域金融との付き合いにもそれなりに年季が入ってきました。
事業者数が少なく人口減少が急速な課題先進地域をA、そうでもないところをBとし、金融機関経営者の本気度(→経営者が聞く耳を持ち、行動力がある、そして地域への責任感がある)が高い場合をC、そうでもないところをDとすると、
当然といえば当然ですが、ACのケースでの手応えが大きく、多少なりとも助太刀ができたかなとの思いがありますし、ワタシなりの処方箋も身についたとのささやかな自負もあります。
最初からADというのは機会がありませんが(←当然ながら)、ACで仕事を開始したものの、経営者の交代でADに変わったところもあります。こういう場合はお役御免です。
Bの地域では、地域金融機関の組織全体としての危機意識を感じられず(口ではあると言うものの)、ある意味、茹でガエル状態に陥っており、思い切った変革は容易ではありません。
B地域で成果が出せるか、助っ人稼業にとっても大きなチャレンジです。
コメント
コロナ禍真っ只中で各地を回らせてもらいましたが、支店レベルも同じで、お取引先様が一定の業種に偏っていて課題が深刻、人口減少が著しい地区では、単なる預貸だけでは支店損益を維持できませんので、支店長以下行員さん、職員さんが色んな試みをしておりました。
一方で人口集中地域や、元々産業豊かな地区はマスコミが報じる程、コロナの影響も深刻ではないので、どんな手を使っても、ゼロゼロを打ち込んだり、再構築補助金の押し売りに終始していた。という印象を持ちました。
コロナ資金も、コンサルや金融機関に「今のうちに借りるだけ借りなさい」と言われ山程借りて、返す時期が迫ってきても、企業が負ったキズが癒えていない地域も沢山あります。
借換制度も出てきたようなので、当面はこれらの利用をお勧めするのでしょうが、「風が吹いたら桶屋がガッポリ、損をするのは俺ひとり」という中小企業様のモヤモヤ感は続くのだろうと思います。