金融庁の地方銀行への検査で、人事部門に対しヒアリングが行われたとの記事が今月の月刊誌にありました。
地方銀行の大量退職が大手メディアで報道され、本年度の金融行政方針には「人的資本」についての記載もあり、こういう検査、さもありなんと思います。
「最近の退職者数」「退職理由」「転職先」について突っ込まれた銀行側が、「人事部門は銀行経営の根幹で、金融庁のやり方は内政干渉」と反発(←記事より)、、、
「ほぉっ、そういうふうに考えるのか」、フムフム、、、
ヒトが預金を集め、融資を行い、有価証券運用を行い、バランスシートを作り上げて、そこから利益を生み出していく。
良質なバランスシートを作り上げるのは人的資本、人的資産、すなわちヒトの力。
オフバランスの人的資本、人的資産の劣化・崩壊が、時間とともにバランスシートの中身を悪化させ、銀行の健全性を揺るがすことは自明の理です。
こういう視点から金融庁が監督検査をおこなうのは、内政干渉なんでしょうか?
さて、
ある地方銀行。
この銀行(←冒頭の月刊誌に出てくる銀行ではない)における、昨今の早期退職の流れには恐ろしいものを感じます。
かつては、お客さまの面倒をよくみる銀行と一目置いていたのですが、ある時より、収益環境の悪化からか、顧客軽視の短期目線での収益至上主義が強烈に出るようになりました。
若手行員のみならず、日頃の取引の中で、お客さまから厚い信頼を得ていた支店長クラスが続々と辞めています。もったいない。
ワタシは地域金融機関から早期退職についての相談を受けることが割と多いのですが、この銀行(→相談は受けてませんが)のようなケースでは、手の打ちようがありません。
「経営陣が変わる」というのが正解ですが、彼らが退陣するはずないし、、、
検査が入ろうものなら、陰で内政干渉と遠吠えをあげるのでしょうか。
イヤハヤ、奈落の底へ一直線です。