このところ信用保証協会のことを重点的に発信しており、「マル保専門チャネル」と揶揄されていますが(笑)、重要な役割でありながらメディア報道があまりにも少ないことがその理由です。
ワタシが信用保証協会という組織に、はじめて接したのは20年ほど前でした。
「持ち込み案件を増やしてもらえませんか。このままだと我々の給料が出なくなります。」
地元X県で圧倒的融資シェアを持つガリバー地銀に擦り寄り懇願する姿でした。
ガリバー地銀は、従来からあった保証協会持ち込み件数という現場への目標を廃止し、自力でリスクをとれる先については極力保証協会に頼るなと方針変更していました。
当時、ワタシにとっての信用保証協会の位置づけは金融機関の下請けで、金融機関のサジ加減でどうにでもなる自主性のない存在というもの。
ところが、
10年余り前、信州再生ネットワーク(長野県信用保証協会が主催)に講演者として呼ばれ、トップ地銀の頭取をはじめ、金融機関の経営陣が勢揃いする中で、地元中小小規模事業者の経営支援をリードする姿勢に接し、信用保証協会に対する認識がガラリと変わりました。
さらに、
7年ぐらい前から、真剣に経営支援に取り組む先進的信用保証協会の皆さんの話を聞くようになり、
当初の考えを根本から改め現在に至っています。
さて、
地域金融機関の現場力が著しく低下しているなかで、中小小規模事業者に対する資金繰り支援機能はどんどん弱体化しています。資金繰り支援を含む経営支援が手薄になっていくなかで、信用保証協会への期待は高まります。
しかるに、
経営支援の視点から金融機関や中小小規模事業者への支援機関を巻き込んだ総力戦(いま一番求められていること)の司令塔となって邁進する保証協会が存在感を増している反面、
金融機関の下請けに甘んじている信用保証協会がいまだ多数派です。その下請け仕事は精度の上がったAIの前では木っ端微塵になるレベルのものであるにもかかわらず、、、
地域の事業者のために役に立ちたいとの意欲もって、狭き門をくぐって信用保証協会に入った若手中堅のことを思うのなら、現状を良しとする経営はさっさと改めないと。
経営責任は大きい。
なお、
冒頭に出てくるX県の信用保証協会では、中堅幹部クラスが立ち上がり、20年前の体質(←地元金融機関への擦り寄りが染みついた)を払拭し始めているとの話が聞こえてきました。
経営陣や上層部がどうなのかはわかりませんが、そもそもトップや上層部から変わっていくような組織ではないので、旅芸人は中堅幹部さんたちへの助太刀モードに入っています。
追伸:
ワタシの信用保証協会に対する悪いイメージを叩き直してくれた恩人、長野県信用保証協会ですが、最近はどうしたんでしょうか。時代に逆行する全国でも稀な組織になっているように感じます。