稚内信用金庫は、8月28日に「中国の水産物全面禁輸措置に対する緊急融資制度の創設」を発表しました。
~福島第一原発のALPS処理水の海洋放出に伴う中国の水産物全面禁輸措置により、当地域の水産事業者への影響が懸念されることから、事業者の資金繰り悪化等に迅速に対応することを目的に、政府による公的支援を待たずに、当金庫独自の緊急融資制度を創設しますので、お知らせ致します。(稚内信用金庫のニュースリリースより、太字は多胡による)
https://www.shinkin.co.jp/wakashin/assets/pdf/news/imp_20230829_china.pdf
8月31日の北海道新聞には、増田理事長の発言が掲載されていますが↓
~貸し倒れリスクは生じるが、「それも覚悟して地元経済を支えるのは地元金融機関としての責任」と強調。「このピンチを逆手にとって、水産物に(高い付加価値をつけるための)次元の高い加工を施す設備投資などへの支援をさらに強化していきたい」と述べた。
公的支援云々前に、地元のお客さまのために自ら率先して動いていく同金庫の経営姿勢に改めて敬意を表します。
実をいうと、
コロナ襲来直後、ゼロゼロ融資の開始よりもはるか以前に、稚内信用金庫は自前でコロナ対応の緊急融資をスタートさせています(2020/2/4) 。
旅芸人ブログでは銀行の対応との比較でこの話を書いています↓
その後、北海道内の金融機関によるゼロゼロ融資競争が加熱し、先を争うようにノーリスク融資の残高を急増させるなか、稚内信用金庫のスタンスは、
~「本当に融資が必要なところにしか貸してはいけないと口を酸っぱくして周知してきた」
まったくブレない地域金融の王道は最北の地にあります。
追記: 旅芸人は1986年以来の「稚内信金ウォッチャー」です。
コメント
21年度の北海道の帆立輸出量はほぼ10万トン。その多くは中国への輸出が占めています。猿払等帆立の一大産地を抱える稚内信金さんの地場産業にとっては本当に死活問題です。稚内信金さんの素早い対応は素晴らしい。
国は処理水放出でこうした問題が出ることは分かっていたはずです。
中国とは台湾問題等多々あるも、まず政府は処理水放出前に首相等有力者が説明に訪中するのが第一です。それをしないで産業対策をしっかりするというのは無責任。
私らマンション居住者がリフォーム等するとするとすれば、少なくとも左右上下の住戸へ説明お願いに行くのですから。今からでも遅くないので政府はこうした行動を早急にするべき。それでも中国が無茶を言うなら、日本国民全員が中国の無茶振りを理解できる。