金融庁が金融行政方針2022以降、「経営力を問う」との強いメッセージを出しています。
~地域金融機関の経営トップにおいては、金融機関を取り巻く環境の変化が非常に速くなっていることを踏まえ、時間軸を意識しながら、果断な経営改革を進める必要がある。(行政方針、p20)
~地域金融機関が経営改革を進めていく上で鍵となるのが、中長期的なビジョンを踏まえた意思決定を支えるガバナンスと、その実施と価値創出を支える人的資本である。(中略) 具体的には、地域銀行における株主や取締役会によるガバナンスの発揮状況や人的資本・人材育成への取組状況について、経営トップをはじめとする各層の役職員や社外取締役等との対話を行う。(行政方針p21)
これしかない、と唸りたくなるような“見事な記述”です。
さて、
「経営力を問う」、このことをずっと考えているのですが、
行きつく先は、不適格な役員たちの「勇気ある?退陣」ではないかと、、、
トップから社外取締役まで、いまや不適格者が居座れるような経営環境ではありません。
ポストにクリンチするだけで、責任感も矜持もない人間に対し、いかに退陣を促すか、そのためのガバナンスが突きつけられています。
「監査役」や「監事」、「監査等委員である取締役」(←監査等委員会設置会社)が、真の意味で取締役の職務執行状況を監督しているか。
指名報酬委員会の議論で、不適格なトップなどを解任する仕掛けはあるのか。
などなど、
改善すべき点は十分にあります。
翻って、
ガバナンスの脆弱な信用保証協会に対しても「経営力を問う」との強力なメッセージが必須です。
行政に頼るだけではなく、業界内で自らガバナンス改革の機運を高めてもらいたいもの。このままだと取り残されていきますよ。
コメント
「社外取締役」はじめ、「監査役」や「監事」、「監査等委員である取締役」の選任権限が、経営トップに集中している現状を鑑みると、取締役会や監査役会にガバナンスの強化を求めるのは極めて困難かと感じています。
従来、地域金融機関の大株主には地域の有力者が入り、ある程度の牽制を利かせていた状況がありましたが、今の上位10社の株主構成を見るに何とか信託みたいなところで本当に地域金融機関としての役割を果たしているかをチェックしガバナンスを利かせているのでしょうか?
ガバナンス、どうしたら利かせられるのでしょうか?