9月22日のジンテックセミナー、「『誰かが決める金融』からの卒業」の基調講演では、
冒頭、金融再生プログラムから20年間を振り返ります。
この20年間で「誰かが決める金融」からの卒業ができる環境が整った“反面”、
現場の劣化が進み、それがコロナ禍で拍車のかかっている地域金融機関。
その“バンカーとして”の根本的な立て直しから、話を展開していきます。
6月の近畿財務局の水野ゼミ、諏訪リレバンサミットと同様に、
~本当に地域でリスクをとっているのは「事業者」である、
~それを全力で支えるのが、地域金融、中小企業金融の担い手である金融機関や信用保証協会など、
~まずは、事業者をリスペクトすることからではないか、
というところから話を始めます。
ガツンとばかり、この当たり前のことを知らしめてくれたのは、ある中小企業の社長さんでした。
かつてのメインバンクXの心ない非道な仕打ちと、同社復活の黒子となった現メインバンクPの姿勢を聞く中で、痛感しました。
猫も杓子も伴走支援に本業支援、これらの言葉が安売り食傷気味の今日この頃ですが、
この現メインバンクPのバンカーとしての矜持の底流には、事業者に対するリスペクトがあります。情と理があります。だから貸し手の借り手の間で確固たる信頼関係があります。貸し手の優越的地位なんてあり得ません。
社長さんにお送りした手紙(2年前のもの)の全文は旅芸人ブログで発信しています。
長川康一さん、橋本卓典さんのコメントも併せ、ご高覧ください。
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コメント
リアルを持つことから逃げられるようになってしまった20年とも言えますね。ババ抜きアパートローンとか、ダメ投信、外貨建て保険、仕組債とか。まったく国民起点ではなく、場当たり金融機関健全性起点の金融ビッグバンは、フィデューシャリーの概念ゼロですから。今でこそ、随分、金融行政は変わりましたが、かつて自ら残したツケを支払わされ続けている側面もありますね。国民起点でないキモい金融は、除菌いただきたい訳です。デジタルという武器を手にした若者は、そういう金融は即ミュート、ブロックしてますが。
私が働いている東京都信用組合協会では「事業性評価に基づく融資力強化講座」という研修を開催しているのですが、その講師の先生が毎年受講生へ最初に、経営者と対話するときはまず「命をかけて事業をしている相手の経営者の方を”尊敬”する気持ち」を持って会話を始めるようにと、何度も仰っていたのを思い出しました。
別の先生からも、中小零細企業の経営者で、会社が回らなくなり、死亡保険金で会社を立て直してくれと自ら命を絶たれた方を知っていると言う話を聞いたことがあります。
一人でも多くの金融機関職員が”事業者をリスペクト”して対話に望んでほしいと思いました。