🎯補助金申請の手伝いが伴走支援?

「陳情による補助金頼みの行政から『稼ぐ行政』への脱皮が重要。地域は経営するものという視点を持ち、トップ自らが情熱と本気度を示さなければ」

2018年5月24日の日経夕刊、山内道雄さんが12年間務めた海士町長(島根県隠岐島)を辞するときの記事にあった言葉です↓

昨日の日本経済新聞夕刊に、海士町長の山内道雄さんの引退記事が出ました。「島根県隠岐諸島の海士町(あまちょう)は農水産業などの振興を通じて移住...

橋本卓典さんの「記事にできない金融ウラ話」の第1回~第3回ゲストである木下斉さんの話と同じものを感じます。

9日に配信された、橋本卓典さんの「記事にできない金融ウラ話」の第3回、 今回も後半のゲストは第1回からの続投で木下斉さんです...
先週の橋本卓典さんのラジオトーク番組「記事にできない金融ウラ話」、 ゲストの木下斉さんの、 「補助金に依存した商店...

翻って、

中小小規模事業者への支援。

補助金が重要な役割を担っています。

事業者支援の補助金の必要性を否定する気は毛頭ないのですが、山内さんや木下さんの話にある通り、

まずは当事者である事業者が補助金ありきではなく、本気度を持って現実に向かい合うことからです。

このことは先日お目にかかった中嶋修さん(板橋区立企業活性化センター長)の話からも強く感じたところです↓

「そもそも中小小規模事業者への経営支援は地域金融機関の日常の活動の中でできること。金融機関がこういう取り組みを日常的に行えば、ほとんどの中...

中嶋さんは、コロナ禍、諸費用の急騰(サプライサイドの問題に円安が覆い被さる)、そして人手不足と、心が折れてしまいそうになる事業者さんたちに寄り添い、日々、資金繰り/事業の相談に乗っています。

いまこそ、中小小規模事業者さんには中嶋さんのようなパートナーの存在が不可欠、日頃の取引関係がある金融機関、信用保証協会、さらには支援組織や士業の人たちの出番なのですが、

彼らが補助金ありきでは話になりません。補助金はあくまでも手段のひとつ。

補助金に群がるコンサルなどという話を聞くと虫唾が走りますし、補助金申請の手伝い(手数料を取るケースも)でおしまい、それで伴走支援と胸を張る地域金融機関を見ると、

伴走支援はそれじゃないだろうと言いたくなります。

ゼロゼロ融資で一丁上がりにしても、補助金申請の手伝いで伴走支援と嘯くにしても、プロダクトアウトそのもの。

金融行政方針2023で、唯一残った地域金融の具体的施策「事業者支援」とは程遠いものがあります。

コメント

  1. 橋本卓典 より:

    補助金はモルヒネとして使うのか、麻薬として使うのかで大違いです。

    事業再構築も新事業に人手を割かなくてはならなくなったり、維持メンテコスト、損金算入など税への影響など、落とし穴はいくつもあります。

    こういうフォロー(伴走)をしていないコンサルは多いように感じます。融資も補助金も出しっぱなし、取りっぱなしは全然伴走ではないですね。事業者の損益改善なくして、伴走を語るなかれです。

    ただし、もちろん伴走者がかけられるコストも無尽蔵ではありませんから、デジタルツールも駆使して、コスト・リターンのバランスを取りながらやる賢さが問われます。すなわち、経営力です。この意味でも伴走を語るなかれ、です。