ポスト検査マニュアル時代における金融庁の監督検査の手法は「探究型対話」です。
「探究型対話」は「過去から未来へ、形式から実質へ、部分から全体へ」の中で一番遅れている「形式から実質へ」を徹底的に究明することだと思っています。
地域金融機関では「なんちゃってリレバン」「なんちゃって経営改善/事業再生」「なんちゃってリスク管理」「なんちゃってコンプライアンス」「なんちゃってガバナンス」等が蔓延。そして最近の旬は「なんちゃってSDGs」に「なんちゃって短コロ」。
ツッコミどころ満載です。
さて、
どこの地域金融機関も当局に報告したり、ディスクロージャー誌などにしたりする好事例を持っています。
好事例に上がるものは、立派なリレバンそのものであり、なんちゃってではありません。
でも属人的で単発です。
では、こういう事例となるような案件を作り上げた人間が組織内部で評価されているかといえば、多くの場合「否」。
こういう事例が作れる人間の多くは、金融機関本位のプロダクトアウトを邪道とし、なんちゃってリレバンには距離を置いているため、組織内の業績評価の物差しでは決して高得点を得ることができません。立派な姿勢なんですけどね。
結局のところ、経営者やその意向を受けた本部がこのような真のリレバン活動は、対当局の報告や広報の「ネタとしての価値」しか認めていないということです。酷い話です。
こういう狡っからいレイジーバンクに対しては、金融庁の「探究型対話」による検査の中で、このふざけた構造をえぐり出してほしいものです。
コメント
ブログ新装おめでとうございます。
本業支援により、顧客企業と地域経済を活性化させるという担当者の「目的」が銀行にとっては当局向けアリバイ作りの「手段」に過ぎないということでしょうか。
顧客と正面から向き合い、本音で対話をしながら粛々と本業支援するという担当者の行動が銀行にとって「建前」であるとすればそれは皮肉なことですが、そもそも案件を手掛けた当の本人は顧客の評価こそ気にすれど、端から銀行の評価などに期待していないような気もします。
そういった人間を評価しているかどうかを「KPI」にしても面白いのかも知れませんね(笑)。