顧客のために適正な競争環境が不可欠であることに、どなたも異論はないでしょう。
ネット系など他業態からの参入が続き、選択肢の増えている個人金融はさておき、地元中小事業者のところは非常に気になるところです。
この数年で同一地域内の地銀合併が進みましたが、信用金庫等のネットワークや政府系金融機関が、どこまでガリバーとなった地銀の対抗軸になれるか。
さて、地銀合併ですが、
そもそも地域トップバンクと2番手以降とでは多くの場合、決定的な差があります。それは地域の「有力顧客層(いわゆる良いお客様)との親密度」です。
その二つの銀行がまったく同じ土俵で競争するのであれば、結果は明らかです。
昨今、トップバンクとの合併に向かういくつかの2番手の姿を見ていますが、顧客視点で対抗軸となる選択肢はなかったのか、と思います。
トップ地銀(総花的のフルバンキング、さらに業務多角化でウイングが広がっている)に右にならえではなく、
経営支援など中小企業金融に磨きをかけたか、取り扱い業務の絞り込みや、エリアの絞り込みの可能性を追求したのか、上場である必要はあるのか。などなど。
合併はあくまでも最後の手段です。
他の業態ではそこに行き着くまでいろいろな試行錯誤があるのですが、合併に至った地銀(トップを追いかける立場の方)はそこが見えてこなかった。
そういう思い切った決断ができない経営陣ってことだったんでしょう。でも、それで良かったんですかね。
負ののれんを献上し、挙げ句の果てリストラ、そしてなんと言っても長年のお客様に多大な迷惑をかけることを思えば、その前にやるべきこと、できることはいくらでもあるのではないか。本気度をもって。
トップバンクを追いかける地銀の経営に注目していきます。