来週からスタートする新年度の事業計画、予算、投資計画の最後の詰めを行なっている地域金融機関は多いものと思います。
量的緩和による低金利がボディーブローのように覆いかぶさり、益出しの原資も底をつき、AIフィンテックを駆使した新規参入が見込まれるなど、未曾有の経営環境の中で、2018年度の延長線上での新計画はあり得ないと考えますが、
いかがでしょうか。
昨日のブログでも書いた通り、プロダクトアウトのトラバンから脱皮できないのであれば、ES崩壊を覚悟で、大胆なコスト削減計画をメインに持っていくしかないでしょう。
八代アソシエイツの八代恭一郎代表が本日アップした論考は、地域金融機関の短期事業計画に厳しくメスを入れています。
http://www.yatsushiro.co.jp
コメント
八代さんの論考は相変わらずに手厳しいですなあ。おっしゃってることはいちいちごもっともです。そこで実務者としては「営業のがんばりかたを示唆した戦略示達ツール」なるものを少しは工夫せねばなりませぬ。これが難しい。実に難しい。なぜならリレバン事例は本当に千差万別でくくりようがなく横展開がとても困難に思えてしまいます。①たえず同僚(他店も含む)の成功や失敗事例に学ぶこと(本部はそのための情報環境を整備する)、②一人の考えより複数人の知恵出しが有効なのでミーテイングをタイミングや場所や形にとらわれずに活用しよう(本部はそのための環境整備を尽くす)、などしか思いつかないのです。と、ほ、ほ。
人と組織は、潜在的に「極めて欠落していること」を「ことさら」に強調する時があります。「ことさら」という「計測できない世界」に洞察深くありたいものです。
フィンテックが「ことさら」に叫ばれるのは、顧客ニーズに耳を傾けず、課題解決に必要なテクノロジーに目を向けてこなかったツケがあるということ。
八代さんの論考で「わが意を得たり」と吹き出しました。「徹底」「注力」「強化」を「ことさら」に経営計画で押し出すということは、「ムチ」でぶっ叩かなければ動きそうにもない人と組織の問題の何事かを雄弁に物語ります。すなわち「生命体」としては機能が不全だということです。
なぜ「楽しく」できないのか。なぜ「苦しい」のか。根本的なところに目を向けなければ、やっていることの愚かさに気づいた人材の流出は止まらず、翻って生産性も改善せず、悪循環が続くばかりです。
トランザクションは必要ですが、その組織には安価で高性能なテクノロジーだけあればよく、人は不要です。人の組織であることを諦めないのであれば、「徹底」「注力」「強化」とは違う次元の活性化を考えた方がよろしいと思います。